レルベアは、通常ケア群と比較し症状をより改善させる
  • 画像は製薬会社HP(https://www.healthgsk.jp/products-info/relvar/product-characteristics.html)から引用。

小児における新規吸入ステロイド薬がレルベアです。

■ 今更ですが、フルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロール(商品名レルベア)が小児でも長期処方できるようになり、最近ようやく当科でも処方ができるようになりました。

■ 1日1回で済むのがウリですが、当然フルチカゾンフランカルボン酸単剤よりも呼吸機能が改善しますという報告はすでにあります(Thorax 2014; 69: 312-9)。

■ 成人の報告ですが、最近Lancetに、「通常ケア」よりもレルベアを使った方がACT(喘息のコントロール指標)がよくなるという報告を見つけたのでご紹介いたします。

■ ちなみにACTは大人のアンケートによる喘息スコアですが、小児にはC-ACTというのがあります。

ACT

C-ACT

 

Woodcock A, et al. Effectiveness of fluticasone furoate plus vilanterol on asthma control in clinical practice: an open-label, parallel group, randomised controlled trial. Lancet 2017. [Epub ahead of print]

 18歳以上の成人気管支喘息患者4233人を登録し、レルベア群と通常ケア群でACTの改善に違いがあるかどうかを調査した。

背景

■ 喘息の管理のためのエビデンスは、ごく限られた患者群で行われた、綿密にモニターされた有効性試験に由来している。通常の臨床プラクティスに近いランダム化試験が必要とされている。

 

方法

■ 私たちはSalfordとSouth Manchester(英国)の74の一般診療所において、オープンラベルによるランダム化対照試験を行った。

■ 一般クリニックにおいて診断された症候性喘息患者で、吸入維持療法を受けている18歳以上の患者が対象であり、ランダム化割り当てされた。

■ フルチカゾンフランカルボン酸(100μgまたは200μg)+ビランテロール25μg(商品名レルベア)×1日1回もしくは通常ケア×1日1回の吸入で介入を開始し、 12ヶ月間追跡調査を行った。

■ プライマリエンドポイントは、試験開始時ACT 20未満であった患者における、ACTスコアが20以上またはACTスコアが試験開始時より3以上増加した患者の割合(レスポンダー)だった。

■ すべての有効性解析は、ITT解析で実施された。

 

結果

■ 2012年11月12日から2016年12月16日までに4725人の患者が登録され、4233人がフルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロール群(n = 2114)または通常ケア群(n = 2119)にランダムに割り当てられた

1207人(通常ケア群605人、フルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロール群602人)は、試験開始時にACT20以上であり、プライマリ有効性分析集団から除外された。

■ 24週目にレスポンダーとなる確率は、フルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロール群のほうが高かった(フルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロール群 1373人中977人 [71%]、通常ケア群1399人中784人[56%]; オッズ比[OR] 2.00 [95%CI 1.70-2.34]、p <0.0001)。

■ 24週目に、調整平均ACTスコアは、フルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロール群で開始した患者は試験開始から4.4ポイント増加し、通常ケアグループでは2.8ポイントだった(差1.6; 95%CI 1.3- 2.0]、p <0.0001)。

論文より引用。ACTスコアの改善はレルベアのほうが良い。

 

■ 研究期間中、この結果は一貫していた。

■ 肺炎はまれであり群間に差はなかった。他の重大な有害事象に群間差はなかった。

 

結論

■ 症候性喘息の診断および吸入維持療法中の患者において、フルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロール1日1回治療は、通常ケアと比較して重篤な有害事象のリスクを増加させることなく喘息コントロールを改善した。

 

結局、何がわかった?

 ✅成人喘息患者に通常ケアに加えてレルベアを開始すると、通常ケア群よりACTが1.6点より改善し、ACTが20未満であった患者が20以上になるオッズ比が2倍となる。

 

 

実臨床でのレルベアの使用は、喘息コントロールを改善するかもしれない。

■ 実臨床で多数の症例で行ったことに価値があると思われる研究結果です。

■ ただ、あくまで「実臨床に近い」としている分、「介入した」という研究自体に、アドヒアランスの改善があった可能性がありますし、盲検化されていないことも、弱点としてあげられます。

■ 研究者は、研究の52週間全体にわたって効果が継続したということから、この懸念は当てはまらないとしていました。

 

 

 

今日のまとめ!

 ✅成人喘息患者に通常ケアに加えてレルベアを開始すると、ACTが改善した。

 

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