どの検査データが新生児黄疸による聴覚神経障害を予測するか?

2017年10月19日

Amin SB, et al. Chronic Auditory Toxicity in Late Preterm and Term Infants With Significant Hyperbilirubinemia. Pediatrics 2017; 140.

 ビリルビンは、聴覚に影響する可能性があります。

■ 新生児黄疸はよくみられる症状で、光線療法で多くの方は改善し、予後も決して悪くありません。

■ 以前、新生児黄疸のリバウンド要因を予測する要因に関してご紹介しました。

■ 今回は、ビリルビンによる聴覚神経障害に関し、どの検査データが障害を期待しやすいかを検討した結果をご紹介します。

 

 

 著明な高ビリルビン血症であった93人の新生児に関し、その後の聴覚異常と関連した因子を検討した。

背景および目的

著明な高ビリルビン血症 (Significant hyperbilirubinemia; SHB)は、長期間にわたる聴覚毒性 (聴神経障害および/または感音難聴)を引き起こすことがある。

■ しかし、総血清ビリルビン (total serum bilirubin; TSB) は、聴覚毒性のリスクのある新生児を識別できない

■ 我々の目的は、SHB(TSB≧20mg / dLまたは交換輸血の基準に合致するTSB)を有する新生児における聴性毒性との関連について、TSB、ビリルビン・アルブミン・モル比(bilirubin albumin molar ratio; BAMR)およびアンバウンドビリルビン(unbound bilirubin; UB)を比較することであった。

 

方法

■ 出生2週間以内にSHBである妊娠34週以上の乳児を対象に、インドでの縦断的研究が計画された。

2〜3か月時に聴覚脳幹反応、ティンパノメトリー、耳音響放射試験を用い、9〜12か月時にオージオメトリーを用いて包括的な聴覚評価を行った

■ 評価は、黄疸の程度を知らない聴覚機能訓練士によって行われた。

 

結果

■ SHBであった乳児100人のうち93人(平均37.4週; 男児55人、女児38人)が聴覚毒性について評価された。

■ そのうち12人の乳児(13%)に聴覚毒性を認めた

■ 共変量で調整された回帰分析において、UBのピーク(TSBのピークまたはBAMRのピークではなく)が聴覚毒性と関連していた(オッズ比2.41; 95%信頼区間:1.43-4.07; P = .001)

■ 共変量で調整後の聴覚毒性に対するROCの曲面下面積(AUC)における有意差は、UB(0.866)、TSB(0.775)とBAMR(0.724)に認められた(P = .03)

論文から引用。UBが最もAUCが高い。

 

 

結論

■ UB(TSBやBAMRではなく)によって示される高間接ビリルビン血症は、SHBである34週以上の乳児において慢性聴覚毒性と関連している。

 

結局、何がわかった?

 ✅著明な総ビリルビン血症(総ビリルビン≧20mg / dLまたは交換輸血の基準に合致する総ビリルビン)である場合、アンバウンドビリルビンは、AUC 0.866で聴覚障害を予測する。

 

 

 

新生児期の黄疸において、アンバウンドビリルビンは聴覚障害を予測する。

■ アンバウンドビリルビンはNICUなどでは測定キットを持っていることが多いでしょう。

■ しかし、多くのNICUを持たない病院は総ビリルビンと直接ビリルビンしか測定できないでしょう。

■ それでほとんどは問題はないのですが、こういった結果があるのなら、一般的な院内検査でもアンバウンドビリルビンを導入できたら良いのではと思いました。

 

 

 

 

今日のまとめ!

 ✅アンバウンドビリルビンは新生児の聴覚神経障害を予測するかもしれない。