
Kusunoki T, et al. Fruit intake reduces the onset of respiratory allergic symptoms in schoolchildren. Pediatr Allergy Immunol 2017.[Epub ahead of print]
食品でアレルギー予防できますか?
■ 食品でアレルギーを予防できるかどうかに関して、外来で良く聞かれます。
■ 現実的には難しいといえるのですが、例えば、ヨーグルトや魚に関しての研究結果があります。
妊娠中・乳幼児期の魚摂取は、アレルギー疾患を予防するのか?: システマティックレビュー&メタアナリシス
■ 今回は滋賀県立小児保健医療センターからの報告で、果物摂取がアレルギー発症を抑えるかもしれないという報告です。
7歳の小児520人の果物摂取量とアレルギー疾患の発症に関して検討した。
背景
■ 先行研究は、食事パターンがアレルギー予防に関連していることを示している。
方法
■ 私たちは、滋賀県の近江八幡市のすべての小学校に対して前向きコホート研究を実施した。
■ アレルギー症状および食事に関するアンケートは、2011年から2014年までの4年間連続で7歳児の両親759人に配布された。
■ 吸入アレルゲン特異的IgE抗体価は、10歳で測定された。
■ 参加者は、4つの食品(果物、野菜、魚、豆)に関し、調査期間中に、少ない、普通、多い摂取群に分類された。
■ オッズ比および95%信頼区間を推定するためにロジスティック回帰分析を行った。
結果
■ 両親が質問票に4年間回答した、計520人の小児(68.5%)が分析に含まれた。
■ 10歳時における喘息、鼻炎、その他のアレルギー症状の有病率は、果物摂取量の増加とともに有意に低下した。
■ さらに、研究期間中のアレルギー発症は、果物摂取量の増加とともに有意に減少した(少ない、普通、多い果物摂取群でそれぞれ33.3%、28.3%、14.3%; P for trend= 0.01 )。
■ 10歳時のブタクサ感作率は、果物摂取量の増加に伴って有意に減少した(P for trend=0.046)。
■ 魚摂取量と新規発症喘息症状との関連以外、他の3つの食品には有意な効果は観察されなかった
結論
■ これらの知見は、果物の摂取量が多いほど小学生の呼吸器アレルギー症状を予防するのに役立つことを示唆している。
結局、何がわかった?
✅7歳時点で果物を摂取するほど、10歳時における喘息・鼻炎・その他のアレルギー症状の有病率は有意に低下した。
果物摂取はアレルギーを予防するかもしれない。
■ 果物に含まれるポリフェノールは、アレルギー免疫応答において影響を及ぼすことが示されているそうです。
■ 果物がアレルギー疾患を減らすならば、普段のちょっとした指導に役立つかもしれませんね。
今日のまとめ!
✅アレルギー予防に果物摂取をすすめてもいいかもしれない。