血糖を持続的に測定すると、早産時の血糖リスクが低下する

Galderisi A, et al. Continuous Glucose Monitoring in Very Preterm Infants: A Randomized Controlled Trial. Pediatrics 2017;140.

 新生児における低血糖の治療に関する問題。

■ 糖毒性の問題は新生児にもあり、一般的に血糖を測定しながらグルコース投与量が決定されることになります。

■ 成人の糖尿病においては、保険適応として血糖持続的モニタリングが行われるようになりました(私は小児科医ですのでそれほど詳しくはありませんが、、)。

■ 一方、新生児の低血糖に対し、持続的血糖モニタリングに基づいたグルコース投与が良いのかどうかを検討した報告をご紹介いたします。

 

 

 早産の新生児50人に対し、持続的な血糖測定に基づく低血糖治療を行った。

背景と目的

■ 早産児のグルコース調節障害は、病的な状態や死亡率を増加させ、神経学的転帰の悪化に関連している。

■ インスリン投与に基づく戦略は、低血糖と死亡率の増加、正常血糖の不足という結果であり、成功していなかった。

■ 我々は、早産児の血糖値維持において、グルコース持続モニタリング(continuous glucose monitoring; CGM)によるグルコース投与が、標準的な血中グルコースモニタリングよりも効果的であるかどうかを評価しようとした。

 

方法

出生から48時間以内に無作為に割り当てられた出生体重≦1500g以下で、妊娠週数32週以下の新生児50人は、CGMの有無にかかわらずコンピュータ誘導グルコース投与速度(glucose infusion rate; GIR)を受けた。

■ 非盲検CGM群では、GIR調整はCGMおよびグルコース変化率によって調整され、一方、盲検CGM群では、GIRは血糖測定に基づき、標準的なグルコメーターを用いて調整された。

プライマリアウトカムは、正常血糖範囲(72〜144mg / dL)に収まる時間の割合だった。

■ セカンダリアウトカムは、軽度(47〜71mg / dL)および重度(47mg / dL)の低血糖に収まる時間の割合、軽度(145-180mg / dL)および重度(> 180mg / dL)の高血糖に収まる時間の割合;およびグルコース変動性だった。

 

結果

■ 非盲検CGM群の新生児は、正常血糖範囲である時間の割合が多かった(中央値84%対68%、P <0.001)

■ また、軽度(P = 0.04)および重度(P = .007)低血糖、および重度の高血糖症(P = .04)の時間の割合も少なくなった

■ さらに、CGMを使用すると血糖値の変動も低下した(SD:21.6±5.4mg / dL vs 27±7.2mg / dL、P = .01; 変動係数:22.8%±4.2% vs 27.9%±5.0%; P <.001) 。

 

結論

■ 早産時に対するCGMを用いたグルコース投与は、正常血糖範囲の時間を増加させ、低血糖を少なくし血糖変動を最小限に抑えることができる。

 

結局、何がわかった?

 ✅在胎週数32週未満、体重1500g以下の新生児に対する、持続的血糖測定に基づくグルコース投与を実施。

 ✅正常血糖である時間の割合が長くなった(中央値84%対68%、P <0.001)。

 ✅軽症(P = 0.04)・重症(P = .007)の低血糖のリスクが低くなり、重症の高血糖症(P = .04)のリスクも低くなった。

 ✅血糖値の変動も少なくなった。

 

 

 血糖持続モニタリングは、小児科領域にも拡大してくるかもしれない。

■ 2016年12月に、成人の糖尿病に対する血糖持続モニタリングが保険適応になりました。

■ 簡便に血糖が測定できるようになれば、小児科領域でもその適応・応用は拡大するのではないでしょうか。

 

 

今日のまとめ!

 ✅早産児に対する、持続的血糖測定に基づくグルコース投与は、低血糖・高血糖・血糖変動のリスクを低下させる。