100%フルーツジュースは肥満と関連するか?:メタアナリシス

Auerbach BJ, et al. Fruit Juice and Change in BMI: A Meta-analysis. Pediatrics 2017; 139.

 果物摂取と健康。

■ 最近、アレルギー分野以外のブログ記事が多めになっていますが、年末の喘息の講演のために一時期、喘息の文献ばっかり読んでいた反動、、かもしれません。そして、来月は経口免疫療法に関する講演があるので、今度はその分野の論文紹介が増える予定です。

■ どちらかというと、私はアトピー性皮膚炎の分野での論文や研究が多かったので、本当はその分野の論文を読む機会が多いのですが、こういう機会をいただくと勉強できていいなと思っています。

■ さて、「フルーツジュース」がカラダに良いか悪いかに迷います。果糖は糖分ですし、一方で果物にはいいイメージもあるし、、

■ アレルギーの分野としては、最近、ジュースではなく果物摂取としてですが、アレルギー予防にいいかもしれないという報告がありました。

果物を食べると、アレルギー疾患が予防できる?

■ そこで今回は、100%フルーツジュースが体重増加に影響するかどうかというメタアナリシスをご紹介いたします。

 

 

100%フルーツジュースとBMI(肥満度の指標)を比較した論文をまとめて、小児34470人に関して検討した。

背景

■ 100%フルーツジュース摂取が子どもの体重増加を引き起こすかどうかは議論の余地がある。

 

目的

■ 100%フルーツジュース摂取と子供のBMIまたはBMI zスコアの変化との関連性を調査する。

 

データソース

■ PubMed、Embase、CINAHL、Cochraneデータベース。

 

研究

■ 100%果物ジュースとBMI測定の変化の関連を調べている追跡研究が含まれた。

 

データ選択

■ 2人の独立したレビュアーは、あらかじめ設計されたデータ収集フォームを使用してデータを抽出した。

 

結果

■ スクリーニングされた4657論文のうち、前向きコホート8研究(n = 34470)がリクルート基準を満たした

■ 全年齢の小児において、1日6〜8オンス(約177~236ml)の100%フルーツジュース摂取は、1年間のBMI zスコアを0.003(95%CI:0.001〜0.004)増加させたた( BMIパーセンタイルは0%増加)(総エネルギー摂取量により調整)。

■ 1〜6歳の小児では、1回のフルーツジュース摂取増加は、BMI zスコアを0.087(95%信頼区間:0.008〜0.167)単位の増加と関連していた(BMIパーセンタイルの4%増加)。

■ 100%フルーツジュース摂取は、7歳から18歳までの小児のBMI zスコアの増加と関連していなかった。

 

研究の限界

■ 研究は、曝露評価や共変量調整が異なっていた。

 

結論

100%フルーツジュース摂取は、臨床的にはそれほど重要ではないものの、1歳から6歳の子どもの体重増加のわずかに関連した。

■ 一方で、7歳から18歳の小児の体重増加と関連していなかった。

■ 1〜6歳の小児には、より多くの研究が必要である。

 

結局、何がわかった?

 ✅100%フルーツジュースと体重増加を検討した8研究、小児34470人において、1から6歳児の体重はいくらか増やす。

 

 

フルーツジュースは、一部の年齢の子どもの体重増加に影響するかもしれない。

■ 今一つすっきりしない結果ではありますが、100%ジュースでも小児の体重は増やすかもしれない、ということでしょう。

 

 

今日のまとめ!

 ✅100%ジュースでも、体重増加に影響する可能性がある。

 

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