Poole R, et al. Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes. BMJ (Clinical research ed) 2017;359:j5024.
コーヒーと健康。
■ Twitterで見かけた話題です。
■ 私は、1日に5杯以上はコーヒーを飲むので、すこし気になって読んでみました。
コーヒー摂取と健康状態に関し、メタアナリシスをさらに集めてメタアナリシスしたアンブレラレビューを行った。
目的
■ コーヒー摂取と複数の健康成果の関連についての、これまでのエビデンスを評価する。
研究デザイン
■ コーヒー摂取量と健康状態に対する、観察研究や介入研究のメタアナリシスに関するエビデンスのアンブレラレビュー。
データソース
■ PubMed、Embase、CINAHL、Cochraneデータベースにおけるシステマティックレビュー、および参考文献のスクリーニング。
研究選択のための適格基準
■ すべての国およびすべての設定における成人集団における、コーヒー消費と健康との関連性を調べた観察研究および介入研究のメタアナリシスを実施した。
■ コーヒーの代謝に関する遺伝子多型の研究は、除外された。
結果
■ アンブレラレビューは、67の健康アウトカムによる観察研究201本のメタアナリシスと、9つの健康アウトカムによる17本の介入研究によるメタアナリシスを特定した。
■ コーヒー消費量は、多い群と少ない群、摂取している群と摂取なし群、1日当たりさらに1杯の摂取群といった摂取方法に対して健康に対する影響を検討すると、害よりもベネフィットに関連していることが多かった。
■ コーヒー摂取と健康結果の間に非線形の関連があり、1日3〜4杯の摂取で相対リスクが最も減少していると推定された(総死亡率における相対リスク 0.83; 95%信頼区間0.83〜 0.88、心臓血管死亡率 0.81 ;95%信頼区間0.72~0.90、心臓血管疾患 0.85 ;95%信頼区間0.80~0.90)。
■ コーヒー摂取が多い群 vs コーヒー摂取が少ない群では、発癌のリスクが18%(0.82,95%CI 0.74〜0.89)低下した。
■ コーヒー摂取はまた、いくつかの癌および神経的状態、代謝性状態、肝臓状態のリスクが低くなった。
■ これらの関連は、喫煙によっておおむね無効となった。
■ また、有害な関連は、妊娠中の摂取量が多い群 vs 摂取が少ない群/摂取なし群を比較して、コーヒー摂取が多い群は、低出生体重(オッズ比1.31、95%信頼区間1.03~1.67)、第1トリメスター(1.22、1.00~1.49)、第2トリメスター(1.12、1.02~1.22)の未熟児出生、流産(1.46、1.06~1.99)に対するリスクが高まった。
■ 女性ではコーヒー飲用と骨折のリスクとの間に関連があったが、男性ではそうではなかった。
結論
■ 一般的な摂取量ではコーヒーの消費量は一般的に安全と思われ、1日当たり3〜4カップでさまざまな健康影響のリスクが最も低下し、健康に有益である可能性が高いと推定された。
■ 観察された関連性が因果関係であるかどうかを確定するためには、ランダム化比較試験を必要とする。
■ 重要なのは、妊娠以外では、これらのエビデンスによれば、コーヒーは特別な危害を及ぼすような重大なリスクはない介入として試験することができるということである。
■ ただし、骨折リスクの高い女性は除外されるべきである。
結局、何がわかった?
✅コーヒー1日3〜4杯の摂取で相対リスクが、総死亡率 0.83倍、心臓血管死亡率 0.81倍、心臓血管疾患 0.85倍になり、最も減少していると概算された。
✅摂取が多い群と摂取が少ない群を比較すると、発癌のリスクが18%低下した。
✅これらの効果は、喫煙で無効化される。
✅妊娠中の女性の摂取量がい多いと、低出生体重や流産などのリスクが上昇する。
コーヒーは適量だとメリットがありそう。ただし、喫煙でそのメリットはキャンセルされ、妊娠中は問題がある。
■ アンブレラレビューとは、メタアナリシスをさらにまとめて検討する手法の様です。
今日のまとめ!
✅コーヒー摂取に関して、利益が多いとする報告が多い。しかし、喫煙でその効果は消え、妊娠中のコーヒー摂取はほどほどにしたほうがよさそう。