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プロバイオティクスは、アレルギー発症予防や治療への効果が報告されています。

■ プロバイオティクスは、アトピー性皮膚炎(AD)の予防に効果があるというメタアナリシスがあります。

プロバイオティクス(乳酸菌製剤)はアトピー性皮膚炎発症を予防する: システマティックレビュー

■ では、治療に関してはどうでしょうか? 複数類のプロバイオティクスを中等症のアトピー性皮膚炎児に使用したランダム化比較試験をご紹介いたします。

 

Navarro-Lopez V, et al. Effect of Oral Administration of a Mixture of Probiotic Strains on SCORAD Index and Use of Topical Steroids in Young Patients With Moderate Atopic Dermatitis: A Randomized Clinical Trial. JAMA Dermatol 2018; 154:37-43.

 中等症のアトピー性皮膚炎児50人を、3種類のプロバイオティクス内服群もしくはプラセボ内服群にランダム化し、12週間後の改善度を比較した。

重要性

■ 新規プロバイオティクス製剤の内服は、小児アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)の経過を改善する可能性がある。

 

目的

■ 経口プロバイオティクス混合製剤がAD治療において安全かつ有効であるかどうかを確認し、小児におけるステロイド外用薬の使用に対する影響を評価する。

 

デザイン、セッティング、参加者

■ 2016年3月から6月まで、スペイン、アリカンテの病院であるCentro Dermatológico Estéticode Alicanteにおいて、12週間のランダム化二重盲検プラセボ対照介入試験が実施された。

■ 観察の担当者は、患者のグループ分けを知らされなかった。

■ 参加者は、中等症のアトピー性皮膚炎である4歳から17歳の小児であり、性別、年齢、発症年齢に応じて層別化され、ランダム化された。

■ 過去3ヶ月間の全身性免疫抑制薬の使用、2週間以内に抗生物質の使用、腸管疾患または細菌感染症の徴候が認められる場合は、研究から除外された。

 

介入

Bifidobacterium lactis CECT 8145・B longum CECT 7347・Lactobacillus casei CECT 9104のプロバイオティクス株(10の9乗コロニー)および担体としての麦芽デキストリンを含む凍結乾燥粉末のカプセル群、またはプラセボ(麦芽デキストリンのみ)を含む凍結乾燥粉末を含むカプセル群の投与を12週間毎日内服した。

 

主な結果と計測結果

■ SCORADスコアおよびステロイド外用薬使用の日数を解析した。

 

結果

50人の小児(女児 26人[50%]、平均年齢 9.2歳[3.7歳])が参加した。

■ 12週間の追跡調査後、プロバイオティクス群のSCORADの平均低下率は、対照群よりも19.2ポイント高かった(平均差-19.2; 95%CI、-15.0〜-23.4)

■ 相対的なSCORADはプロバイオティクス群ではは -83%(95%CI -95%〜-70%)、プラセボ群では -24%(95%CI -36%〜-11%) 改善した(P <.001)。

■ プロバイオティクス群において、紅斑の治療のためのステロイド外用薬の使用(2084患者-日あたり161日 [7.7%])は、対照群(2032患者-日あたり220日 [10.8%];)と比較して有意に減少した(オッズ比  0.63; 95%CI 0.51~0.78)

 

結論と妥当性

■ プロバイオティクス混合物は、中等症ADの患児のSCORAD(AD重症度)を低下させ、ステロイド外用薬の使用を減少させるのに有効だった。

 

結局、何がわかった?

 ✅中等症のアトピー性皮膚炎患児に3種類のプロバイオティクスを投与すると、12週間でアトピー性皮膚炎の重症度であるSCORADの低下率は、対照群よりも平均19.2ポイント高くなった(平均差-19.2; 95%CI、-15.0〜-23.4)。

 ✅さらに、ステロイド外用薬の使用量も有意に減少した。

 

 

プロバイオティクスによる研究を一般化するのには困難もあります。

■ 先行研究では、例えば、ヨーグルトにより予防効果があるかもしれないというコホート研究などもあり、プロバイオティクスの効果が注目されています。

1歳までのヨーグルト摂取は、アトピー性皮膚炎を予防する

■ 抗生物質を1歳未満で使用することにより、アトピー性皮膚炎の発症リスクがあがるのは、その逆とも言えましょう。

1歳までの抗生剤使用は食物アレルギー発症を増やすかもしれない: 症例対照研究

■ しかし、現在のところ、プロバイオティクスを予防として推奨されているとはいえません。それは、「どの菌種を」「どれくらいの量」「どれくらいの期間」内服するべきか決まっていませんし、民族によっても異なる可能性っがあるからです。

プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎発症予防に対する反対意見

■ そのため、なかなか一般化しにくい(普通に推奨しにくい)状況なのです。とはいえ、「乳酸菌を飲んだほうがいいですか」と聞かれれば、「飲んで損はないかもしれませんね」とお答えしてもいいのかもしれません。

 

 

今日のまとめ!

 ✅プロバイオティクスは、アトピー性皮膚炎の治療に有効かもしれない。しかし、本邦でどの菌種を使うかなど解決すべき問題点もある。

 

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