小児の咳に、蜂蜜は効果があるか?:メタアナリシス



Oduwole O, Meremikwu MM, Oyo‐Ita A, Udoh EE. Honey for acute cough in children. Evidence‐Based Child Health: A Cochrane Review Journal 2014; 9:401-44.

蜂蜜と咳。

■ 完全に体調を崩してしまって、ブログの更新が滞りました。Twitterで励ましてくださった方々に御礼申し上げます。不可抗力ですが、無理しすぎました、、。まだ本調子とはいえないので、ぼちぼちと更新いたします。

■ さて、「蜂蜜が咳に効く」は風邪の教科書などでも見かけるようになりました。

■ そのテーマでコクランシステマティックレビューが出ていたのを見つけたのでご紹介いたします。

 

 

2〜18歳の急性咳嗽に対して、蜂蜜の効果を検討したランダム化比較試験、計265人を評価した。

背景

■ 咳嗽は両親を心配させる、外来患者の主な受診理由である。

■ そして、咳嗽は、生活の質に影響し不安にさせ、家族の睡眠にも影響を与える可能性がある。

■ 咳嗽を含む症状を改善するために、蜂蜜を含むいくつかの治療方法が使用されてきた。

 

目的

■ 外来における小児の急性咳嗽に対する蜂蜜の有効性を評価する。

 

検索方法

■ Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL) (Cochrane Library Issue 4、2011)、すなわち、MEDLINE(1950年から2011年12月4日まで); EMBASE(1990年から2012年1月); CINAHL(1981年から2012年1月); Web of Science(2000年から2012年1月); AMED(1985年から2012年1月); LILACS(1982年から2012年1月);CAB abstracts(2009年から2012年1月)を検索した。

 

選択基準

2〜18歳の外来のセッティングでの急性咳嗽に対して、蜂蜜単独または抗生物質との組み合わせと、蜂蜜なし、プラセボ、その他の店頭薬(OTC)とを比較したランダム化比較試験(RCT)が選択された

 

データの収集と分析

■ 2人の担当者が適格な研究検索結果を独立してスクリーニングし、報告された結果についてデータを得た。

 

主な結果

小児265人における、バイアスが高い2件のRCTが含まれた。

■ この研究では、咳の症状改善を7ポイントのリッカートスケールを用いて評価し、蜂蜜と、デキストロメトルファン・ジフェンヒドラミン・「治療なし」とを比較した。

蜂蜜は、咳の頻度を「治療なし」より改善した(平均差[MD] -1.07; 95%信頼区間[CI] -1.53​​〜-0.60; 2研究; 154人)

■ 中程度の品質のエビデンスによれば、蜂蜜は、デキストロメトルファンと咳の頻度の改善に有意差はなかった(MD -0.07; 95%CI -1.07〜0.94; 2研究; 149人)

■ 質の低いエビデンスによれば、蜂蜜は、ジフェンヒドラミンより咳の頻度をわずかに改善する可能性があることを示唆した(MD -0.57; 95%CI -0.90〜-0.24; 1研究; 80人)

■ 有害事象として、蜂蜜群の7人(9.3%)およびデキストロメトルファン群の2人(2.7%)に軽度の反応(神経過敏、不眠、多動)が報告されたが、その差は有意ではなかった(リスク比[RR] 2.94; 95%CI 0.74〜11.71; 2研究; 149人)。

■ ジフェンヒドラミン群の3人(7.5%)は傾眠を報告したが(RR 0.14; 95%CI 0.01〜2.68; 1研究; 80人)、蜂蜜 vs デキストロメトルファンまたは蜂蜜 vs ジフェンヒドラミンに有意差はなかった。

■ 有害事象は「無処置」群では報告されなかった。

 

結論

■ 蜂蜜は、咳嗽の症状を軽減させるが、デキストロメトルファンよりも優れているわけではない。

■ しかし、「治療なし」およびジフェンヒドラミンより優れている可能性がある。

■ 蜂蜜の使用に賛成する、もしくは反対する強いエビデンスはない。

 

結局、何がわかった?

 ✅蜂蜜は、咳の頻度を「治療なし」より改善する。

 ✅蜂蜜は、デキストロメトルファン(商品名;メジコン)と比較して、咳の頻度の改善に有意差はなし。

 ✅蜂蜜は、ジフェンヒドラミン(商品名;レスタミン)より咳の頻度をわずかに改善する可能性がある。 

 

 

咳に対する蜂蜜の効果は、まだエビデンスの蓄積が必要なようだ。

■ 「蜂蜜が咳に効く」というトピックに関し、思ったほど強固なエビデンスはまだないということがわかりました。

■ ただ、この検討はやや古いものです。この後もエビデンスレベルが高い研究結果が発表されているようです。たとえば、蜂蜜入りのシロップ製剤の有用性がランダム化比較試験で最近報告されていました(Cohen HA, World Journal of Pediatrics 2017; 13:27-33.)。

■ 今回自分自身が使っても結構よかったので、外来で推奨するのは継続しようと思っています。

■ なお、もちろん1歳未満の蜂蜜は禁止ですよ。余裕をもって、1歳半までは禁で良いと思います。一方で、先日、1歳7ヶ月のお子さんに蜂蜜をおすすめしたら、近医の先生から「子どもに蜂蜜を与えるとは何事だ!」と患者さんが叱られるという事件がありました。色々な考えがありますから、、

 

 

今日のまとめ!

 ✅蜂蜜は、小児の急性の咳を、無治療よりも有意に改善する。デキストロメトルファン(商品名;メジコン)と比較すると変わらない。ジフェンヒドラミン(商品名;レスタミン)より少し改善するかもしれない。