人工乳を早期に導入すると、ミルクアレルギーが少ないかもしれない

Katz Y, et al. Early exposure to cow’s milk protein is protective against IgE-mediated cow’s milk protein allergy. The Journal of allergy and clinical immunology 2010; 126(1): 77-82.e1.

古典的ながら、ミルクアレルギー発症予防に関する重要な報告のひとつ。

■ 卵やピーナッツに関しては、生後半年くらいからの「早期摂取開始」が食物アレルギー発症予防に有効であることが証明されつつあります。

■ しかし、牛乳に関しては、生後半年前後が最も発症が多い時期です。

■ 今回ご紹介する報告は、食物アレルギー予防の報告としてはかなり古典的(それでも10年も経過していませんが)ではありますが、重要な報告の一つ。

 

コホート試験に参加した乳児13,019人に発症したミルクアレルギーと、ミルク導入時期を検討した。

背景

牛乳アレルギー(cow’s milk allergy; CMA)の有病率、改善、リスク因子の多様性は、大規模な集団ベースの前向き研究を必要とした。

 

目的

■ 私たちは、大豆アレルギーの有病率、交差反応性、およびCMA発症のリスク因子を決定しようとした。

 

方法

電話によるインタビュー(95.8%)やアンケート(4.2%)により、13,019人の乳児の摂食歴を得た。

■ 牛乳に対する有害事象の可能性のある乳幼児に対し、皮膚プリックテストと経口負荷試験を実施した。

 

結果

前向きコホート試験に参加した乳幼児のうち、98%が研究に参加し、IgE依存性CMAの累積発症率は0.5%だった(13,019人中66 人)

■ 牛乳蛋白質(CMP)を導入した平均年齢は、健常児(61.6±92.5日)とIgE依存性CMA(116.1±64.9日)に有意差があった(P <.001)。

生後14日間に定期的に乳蛋白を導入した乳児の0.05%のみがIgE依存性CMAに罹患し、105日~194日に開始した乳児の1.75%に比較して少なかった(P <0.001)

論文から引用。開始時期により、I群:0~14日、II群:15~104日、III群:105~194日、IV群:195~374日に層別化。生後14日以内に開始した群が最もミルクアレルギー発症が少ない。

 

■ 生後15日以上でCMPを導入した乳児のIgE依存性CMAの発症は、オッズ比19.3(95%CI、6.0-62.1)だった(P <.001)。

IgE依存性CMAに罹患した64人は、大豆に耐性であり、大豆アレルギーはひとりも証明されなかった

 

結論

■ IgE依存性CMAは、一般的に報告されているよりもはるかに少ない。

母乳栄養に追加してCMPへ早期導入することは、ミルクへの耐性を促進するかもしれない

■ 大豆は、IgE依存性CMA患者への合理的な代替物となる。

 

結局、何がわかった?

 ✅生後14日間に乳蛋白を導入すると(0.05%)、105日~194日に開始した乳児(1.75%)に比較して、ミルクアレルギーが少なかった(P <0.001)。

 

 

食物アレルギー予防のための早期導入時期は、食物の種類によって異なるかもしれない。

■ ミルクアレルギーとミルク導入時期に関しては、生後1ヶ月以内に導入した方が、発症が少ないという結果が、最近示されています。

■ しかし、これらは観察研究であり介入研究ではありません。今後介入研究が必要でしょう。

■ また、先行した介入研究であるピーナッツや卵アレルギーの導入時期は、生後半年前後から始めています。

■ 食物により、導入時期が違う可能性があり、興味深い現象と思います。

 

今日のまとめ!

 ✅生後14日以内にミルク蛋白を定期的に摂取させると、ミルクアレルギーを予防できるかもしれない。

 

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