花粉は、小児喘息発作の誘因となるか?

Erbas B, et al. Outdoor pollen is a trigger of child and adolescent asthma emergency department presentations: A systematic review and meta-analysis. Allergy 2018. [Epub ahead of print]

花粉は、喘息発作の原因になっているか?

■ スギ花粉症の季節に質問されるもののひとつに、「花粉症は喘息を悪化させますか?」という問いがあります。

■ スギ花粉は粒子径が大きく気道まで到達しないため、一般には増悪因子としては強くはないのですが、花粉表面上のパーティクルが増悪の原因になったりすることは知られています。

■ 今回は、本邦からの報告ではないのでスギ花粉ではありませんが、花粉が喘息の悪化要因になるかどうかを確認した検討です。

 

花粉飛散と喘息増悪を検討した14研究を検討した。

背景

■ 雷雨時のの喘息のような、気候変動に伴う喘息増悪と関連し花粉曝露と喘息による入院との関連を確立することに関心が高まっている。

■ 本研究は、花粉や救急部(ED)受診に対する研究を系統的にレビューし、メタアナリシスを実施した。

 

方法

■ MEDLINE、EMBASE、Web of Science、CINAHLにおいて適切な方法を用いて研究を検索し、バイアスの品質とリスクについて評価された。

■ 中程度の異質性を認めた場合は、利用可能だったエビデンスをランダム効果モデルを使用して質的もしくはメタアナリシスの両方で要約した。

 

結果

14研究が含まれた

■ 調査された花粉分類群は研究間で異なった。そして、草花花粉の影響のみ、メタアナリシスが実施可能だった。

喘息による救急受診する症状(mean number of asthma ED presentations; MPC)(3研究からプールされた結果)の平均回数の変化率は統計的に有意に増加し、1立方メートル当たりの草花粉粒10個の増加あたり1.88%(95%CI 0.94%~2.82%)と見積もられた。

■ 時系列研究は、花粉濃度と救急受診に正の相関を示した。

■ 年齢層別研究は、5歳~17歳において最も強い関連性を示した。

 

結論

周囲の草花花粉への曝露は、救急受診を必要とする小児喘息の増悪に対する重要な誘因となる。

■ 特に雷雨喘息に関連して花粉曝露がますます問題になるため、健康への影響を完全に理解するためには、花粉を類似した測定方法と同じ分析方法による研究が必要である。

 

結局、何がわかった?

 ✅草花花粉への曝露は、花粉量に応じ、救急受診率を増加させる。

 

 

花粉は小児喘息の救急受診を増やすようだ。

■ 臨床上、春も一応は喘息増悪が多くなるのですが、スギ花粉がどれくらい影響するかは明らかとは言えません。

■ 今回の報告からは、スギ花粉も一役買っているのかもしれないと思いました。

 

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今日のまとめ!

 ✅花粉飛散は、喘息増悪の誘因になっているのかもしれない。

 

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