Ozturk AB, et al. Does nasal hair (vibrissae) density affect the risk of developing asthma in patients with seasonal rhinitis? Int Arch Allergy Immunol 2011; 156(1): 75-80.
鼻毛量と喘息発症リスクを検討、、?
■ 今回は冗談のような報告で、鼻毛量と喘息発症リスクを検討した結果。
■ ちょっとした小咄に役立ちます!?
233人に対し、標準的な質問票・身体検査・アレルギー検査を実施し、鼻毛量と喘息リスクを評価した。
背景
■ 鼻に侵入する大きな粒子は、鼻孔前部に存在する鼻毛によって集められる。
■ 鼻毛密度の増加は鼻の濾過効率の改善をもたらし、鼻毛の減少は効率低下を引き起こす。
■ 鼻毛の量は個人によって異なるため、鼻のフィルタリング濾過効率に差異をもたらすかもしれない。
■ 鼻のフィルター機能の低下は、気道のアレルゲンへの曝露を増加させる。
■ この研究の目的は、鼻毛密度が季節性鼻炎(seasonal rhinitis; SR)患者における喘息発症リスクに及ぼす影響を確認することだった。
方法
■ 参加者233人に対し、標準的な質問票を記入、身体検査・アレルギー検査が実施された。
■ 患者は、鼻毛量に応じ3群(少量(少ないもしくはない)、中等量、多量)に分け、喘息と鼻毛密度との関連性を評価した。
論文から引用。左から少量・中等量・多量の鼻毛量。
結果
■ 喘息は75人(32.2%)が罹患しており、そのうち45人(60%)は花粉症も有していた。
■ 喘息率は、少量、中等量、多量群で、それぞれ44.7%、26.2%、16.7%だった(p = 0.002)。
■ 鼻毛が少量である場合、喘息発症リスクを有意に増加させた(中等量 オッズ比[OR] 0.41 [95%CI 0.21~0.78]; 多量 OR 0.19 [0.06-0.55]; p = 0.002)。
結論
■ 我々の知見は、鼻のフィルタリング機能を提供する鼻毛量が、季節性鼻炎患者における喘息発症のリスクに保護効果を有することを示唆している。
■ 私たちの知る限りでは、これはこのテーマに関する初の報告である。
結局、何がわかった?
✅鼻毛が少量である場合、喘息発症リスクが有意に増加した(鼻毛少量群に比較し、鼻毛中等量 オッズ比[OR] 0.41 [95%CI 0.21~0.78]; 鼻毛多量 OR 0.19 [0.06-0.55]; p = 0.002)
鼻毛と喘息の関連ということを大真面目に研究するのもまた医学。
■ 喘息リスクを減らすために、鼻毛を切らないように、、って指導したことはありませんけど、何かの小咄には役に立つかもしれません。
今日のまとめ!
✅鼻毛が少ないと喘息リスクがあがるかもしれない。