早産児に対し離乳食を生後6ヶ月までに導入しても、アレルギー発症リスクにはならない

Yrjänä JM, et al. Very early introduction of semisolid foods in preterm infants does not increase food allergies or atopic dermatitis. Annals of Allergy, Asthma & Immunology 2018.[Epub ahead of print]

早期離乳食開始が食物アレルギー予防に働くのではないかと考えられてきています。

■ 早期離乳食は、食物アレルギー予防に有効ではないかという考え方は、ひろまりつつあります。

■ しかし、「早期に開始するのは腸管が未熟だからかえって食物アレルギーや湿疹を起こしやすくなるのではないか」と考える方もいらっしゃいます。そして、このテーマのメタアナリシスが最近行われ、離乳食の導入時期と湿疹の発症には関連は見いだされていません。ただし、まだまだデータ不足であるとされています。

■ そこで今回は、正期産児と早産児(より腸管が未熟と予想される)を比較して、離乳食開始がアレルギー発症のリスクになっていないかを検討した報告をご紹介いたします。

 

2008年から2012年にかけて生まれた早産児464人の離乳食開始時期と、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の発症リスクを検討した。

背景

■ 幼児のための離乳食導入に最適な年齢は、長い間論争の問題である。

 

目的

■ 本研究は、半固形離乳食を早期導入すると、早産児における食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の発症リスクに影響を与えるかどうかを判断することを目的とした。

 

方法

■ 2008年から2012年にかけて、オウル大学病院で生まれた早産児464人のレトロスペクティブデータを解析した。

■ 一般集団から、年齢と性別が一致した満期産の児が特定された。

■ この研究のプライマリアウトカムは、早産児と満期産児の離乳食導入時期の差だった。

■ セカンダリアウトカムは、1歳までと2歳までの食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の発症リスクだった。

 

結果

■ 半固形の離乳食は、すべての早産児では修正月齢が中央値1.4ヵ月で開始、Late preterm infant(在胎期間34週0日~36週6日)は1.9ヵ月で開始、Very preterm infant(在胎期間32週未満)は0.9ヵ月で開始、extremly preterm infant(在胎期間28週未満)​​は0.1ヵ月で開始された。

1歳までと2歳までの食物アレルギーまたはアトピー性皮膚炎のいずれかの累積発症率は、早産児と対照群において大きく異ならなかった

 

結論

■ 早産児の食生活への離乳食の早期導入は、最も早期に出生した児でさえ、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の発症率を増加させなかった。

■ この知見は、早産児の腸管関連リンパ系組織が食物タンパク質に遭遇しても、妊娠期間にかかわらず出生後3〜6ヶ月以内に成熟プロセスを開始する準備ができているという仮説を支持する。

 

結局、何がわかった?

 ✅1歳までと2歳までの食物アレルギーまたはアトピー性皮膚炎のいずれかの累積発症率は、早産児と対照群において大きく異ならなかった。

 

 

正期産児と早産児で、在胎週数・妊娠期間にかかわらず出生後3〜6ヶ月で離乳食を開始しても食物アレルギーや湿疹のリスクを増やさないようだ。

■ 本文が手に入らなかったので、詳細はつかめなかったのですが、早産児で一般的な離乳食開始時期で開始しても、湿疹や食物アレルギーリスクの増加にはつながらないという結果でした。

■ 症例集積研究ですが、有用な知見ではないでしょうか。

 

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今日のまとめ!

 ✅早産児でも、一般的な離乳食開始時期に開始しても、湿疹や食物アレルギーのリスクには影響しないようだ。

 

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