離乳食早期導入は、湿疹リスクをあげるのか?:メタアナリシス

Waidyatillake NT, et al. Association between the age of solid food introduction and eczema: A systematic review and a meta‐analysis. Clinical & Experimental Allergy 2018.[Epub ahead of print]

離乳食早期導入は、湿疹の発症を増やすのか?

■ 離乳食早期導入は、卵やピーナッツで推奨されるようになってきました。

離乳食早期導入と食物アレルギー予防(第1回/全4回)~イントロダクション~

■ 離乳食を早期導入して、むしろ湿疹の発症が増えるのではないかという疑問に対し、システマティックレビューが行われました。

 

離乳食を開始した年齢により、湿疹発症リスクに対するメタアナリシスを実施した。

イントロダクション

■ 湿疹は、大きな疾病負担の原因となる一般的な小児の疾患である。

■ 離乳食およびアレルギー性食物の導入時期は、小児期の湿疹に関連すると考えられている。

■ エビデンスは増えつつあるものの、離乳食の導入時期(アレルギー性および/または非アレルギー性)と湿疹の発症との関係は、システマティックレビューされてこなかった。

 

方法

■ 食物(food)および湿疹(eczema)の用語を用いてPubMedおよびEMBASEデータベースを検索した。

■ 2名の著者は、包含基準に従って論文を選択し、研究特性および関連性の尺度に関する情報を抽出した。

■ 離乳食を開始した年齢および型にしたがって研究をグループ分けした後、メタアナリシスを実施した。

 

結果

■ 計17本の論文が包含基準に合致し、16の研究集団からの結果が報告された。

■ これらのうち、コホート研究11件、症例対照研究2件、横断研究1件、ランダム化比較試験2件だった。

■ 研究間の異質性のために、メタアナリシスは限定的となった。

■ 結果として、離乳食の導入時期は湿疹に関連していなかった

■ 1つの無作為化比較試験では、早期(約4ヶ月)のアレルギー性食物の導入と湿疹リスクの低下に、弱い関連があるというエビデンスが得られた。

 

結論

■ 現在入手可能なエビデンスは、離乳食の導入時期が湿疹のリスクに影響を与えるかどうかを判断するには不十分である。

 

結局、何がわかった?

 ✅離乳食の導入時期と湿疹の発症には関連は見いだされなかった。

 ✅むしろ、早期(約4ヶ月)のアレルギー性食物を導入すると湿疹リスクの低下に弱い関連があるというエビデンスが得られた。

 

 

早期離乳食を開始しても、湿疹の発症リスクにはならないようだが、まだ研究は不十分。

■ 現状までの検討では、早期離乳食開始と湿疹発症リスクには有意な関連はないようです。

■ なお以前ご紹介した症例対照研究では、早期に離乳食を開始した方がアトピー性皮膚炎発症リスクは減るという結果になっていました。

早期に離乳食を開始したほうがアトピー性皮膚炎のリスクが減少するかもしれない: 症例対照研究

■ 栄養的・睡眠に関しても悪影響はなさそう(むしろいい方に働くよう)ですので、個人的には、離乳食を早期開始してのデメリットは少ないとお話ししています。

早期離乳食開始は、乳児の睡眠関連の問題を減らすかもしれない

卵の早期導入は、栄養状態を改善するかもしれない

■ もちろん、湿疹をすでに発症した病歴のある場合は開始時のリスクがたかくなりますので、注意は必要です。医師の指導を仰ぎましょう。

 

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今日のまとめ!

 ✅離乳食を早期に開始しても、湿疹を発症するリスクは高くならないようだ。

 

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