スマートフォンによる写真は、直接の診察と差がでるか?

スマホによる写真撮影は、診断に有用か?

■ 遠隔治療が発展してきた場合、視診や問診が中心になってくる可能性があります。

■ 個人的には、皮膚の診察は視診だけでなく触診なども重要と思っているので、写真だけで診療はできないと思っていますが、JAMA dermatologyに「スマホの写真が診療に有用かをみたランダム化比較試験がありました。

 

O’connor DM, et al. Diagnostic Accuracy of Pediatric Teledermatology Using Parent-Submitted Photographs: A Randomized Clinical Trial. JAMA dermatology 2017; 153:1243-8.

患児・保護者40組で、保護者のスマホで撮影した写真が、直接の診察と診断精度が異なるかを検討した。

重要性

■ スマートフォン撮影(品質と画像両方の伝送)の進歩は、親と臨床医への直接の遠隔医療による治療へのアクセスを改善する可能性がある。

■ しかし、親が提供した写真に依存する診断の正確さは、正式に行われた診断と比較されていない。

 

目的

■ 両親が撮影した小児の皮膚状態に関するスマートフォンの写真が、正確な診断を可能にするのに十分な品質であるかどうかを評価する。

 

デザイン、セッティング、参加者

■ 2016年3月1日から9月30日までフィラデルフィア小児病院の小児皮膚科クリニックにおいて、患児 - 親40組の前向き研究を行い、個々人に対する小児皮膚科医の診察、親の写真に基づいた小児皮膚科医の診察による診断の一致を評価した。

■ 患児 - 親の組の半数は、セカンダリ解析のためにランダム化し、スマートフォンで写真を撮る最良の方法に関し指導を受けた

■ 医師は、両親が写真撮影の指導を受けているかどうかは盲検化された。

 

介入

■ 患者-親組の半数は、スマートフォンを使って写真を撮るのに最適な方法に関する簡単な3ステップの指示書を受け取った(介入群)。

■ 残りの半数は指導を受けなかった(対照群)。

 

主要アウトカムと測定

■ 写真による診断 vs 直接の診断、対照群との一致度は、偶然に起こる一致の可能性を考慮した尺度であるCohenκを用いて定量化された。

 

結果

患児 - 親40組(女児22人、男児18人; 平均年齢[SD] 6.96 [5.23]歳])における写真による診断 vs 直接の診断の一致度は、全体で83%(95%CI 71% -94%; κ= 0.81)だった。

■ 診断を行うために十分高い品質の写真を撮った37人のサブグループにおいて、診断一致度は89%(95%CI; 75%-97%; κ= 0.88)だった。

■ 診断の一致に対し、写真撮影の指示には統計学的に有意な効果は認められなかった(指示を受けたグループ85%、指示を受けなかったグループ80%; P = .68)。

■ 診断が不一致だった場合、適切なフォローアップが示唆された。

 

結論と妥当性

■ 親が実施するスマートフォン撮影は、小児科の皮膚科ケアを提供する方法として正確に使用されうる。

 

結局、何がわかった?

 ✅患児 - 保護者の40組(女児22人、男児18人; 平均年齢[SD] 6.96 [5.23]歳])における写真による診断 vs 直接の診断の一致度は、全体で83%(95%CI 71% -94%; κ= 0.81)だった。

 

 

スマホの写真も、診療に有用そうだ。

■ 私は古い医師なのかもしれませんが、それでも視診だけでは心配だとは思ってはいます。

■ しかし、例えば自然によくなってしまうようなじんましんや湿疹などは、ぜひスマホで撮影しておいていただきたいと思いますし、遠隔治療の根拠に有用かもしれませんね。

 

 

今日のまとめ!

 ✅皮膚科診療において、スマホによる写真も直接に診療に匹敵する診断精度かもしれない。

 

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