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汗とアトピー性皮膚炎の関連に関し、研究が進みつつある。

■ 杏林大学皮膚科の塩原哲夫先生らの研究グループは、とてもユニークな研究をよく発表されていて、ご講演もすごく面白いです。

■ 最近は汗に関する検討をおおく発表されており今回はそのうちのひとつをご紹介します。

■ 現在長崎大学に活動の場を移された室田浩之先生も汗に関する検討を多く発表されています。

■ 基礎的な部分を多く含みますので私も全体をすべて理解できているわけではないのですが、今後の展開を注目しています。

 

Shimoda‐Komatsu Y, et al. A novel method to assess the potential role of sweating abnormalities in the pathogenesis of atopic dermatitis. Experimental dermatology 2018; 27(4): 386-92.

発汗の状態を皮膚表面トポグラフィーで定量化し、アトピー性皮膚炎と汗の関連を検討した。

背景

■ アトピー性ドライスキンは、皮膚バリア機能の維持に重要な皮膚遺伝子の欠損に起因すると考えられているが、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis;AD)における汗の役割は明らかに過小評価されている。

■ 皮膚の水分保持を維持し増強する汗の能力が大きいことを考えると、発汗応答が不十分であることがヒトの病気の素因になる変化を調査する論理的なテーマであるかもしれない。

 

方法

■ そこで、皮膚表面トポグラフィーに関連したそれぞれの汗腺/汗管活性の正確な定量化を可能にする圧入法鋳型技術を使用することによって、早期の無症状段階から臨床的に明らかな疾患の発症まで、疾患の経過と発汗障害がどのように進行するかを検討した。

■ AD患者群および健常対照群の様々な段階で、試験開始時および熱刺激後の条件下で、不感的・感覚的な発汗反応を測定した。

 

結果

■ 対照群は試験開始時の条件下において、真皮層の汗管/汗腺において基本レベルの汗(不感性の発汗)を分泌しており、それによって皮膚の水分を維持した

■ 最も早期の不感性の発汗の段階でさえ、初期の不感性の段階でばかりでなく感覚的な発汗も著しく減少し、減少後の多汗が続いた。

真皮への汗の漏出は、発汗および炎症の減少をもたらす最初の結果を表す。

■ 最終的に、全ての汗管/汗腺に全身のドライスキンを発症するという障害が進行した。

■ ADのある皮膚は、段階に応じた汗管/汗腺の機能障害の程度が様々あることを特徴とし、この障害は、AD患者が皮膚の水分を維持できない理由の1つである。

 

結局、何がわかった?

 ✅ アトピー性皮膚炎があると、汗管・汗腺の機能不全の程度が生じ皮膚の水分維持ができない理由になる。

 

 

汗とアトピー性皮膚炎(もしくは乾燥)の関連の検討はまだ不十分。

■ 汗に関して、アトピー性皮膚炎の悪化に関連することは多いのですが、一方で過剰な洗浄は皮膚の乾燥を生じます。

■ さらに、アトピー性皮膚炎の発汗が部位により様々あることにより、皮膚の水分保持が低下するというのは重要な知見のように思われます。

■ 学会発表で室田先生が、汗腺を汗が逆流する様子などを映像で発表されているのを拝聴したことなどからも、これからさらに検討がすすむテーマと思っています。期待したいですね。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ 汗とアトピー性皮膚炎に関する検討が進み始めている。

 

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