【全文訳】タクロリムス(プロトピック)外用薬の灼熱感は、TEWLにより予測できる

タクロリムス(プロトピック)軟膏は、「刺激感」のために使用しにくいケースがある。

■ プロトピック外用薬は、ステロイド外用薬のような皮膚の萎縮を起こさないため、使用しやすい薬剤です。

■ ただし欠点として、皮膚が特に悪化している場合に使用すると「刺激感」があるケースがあり、中止せざるを得ない場合があります。

■ その刺激感の機序は、まだ十分解明されているとはいえませんが、その予測にTEWL(経皮水分蒸散量)が有効だという報告があります。

■ 短報で抄録はありませんでしたが、全文がフリーで読めましたので、全文を翻訳してみました。

■ なお、TEWLに関しては、以下の記事をどうぞ。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

16歳以上の中等症〜重症のアトピー性皮膚炎患者60人に対し、顔にタクロリムス(0.1%)外用薬を2週間塗布し、刺激感の発生頻度をTEWLや皮膚の水分量と関連するかを検討したところ、

 ✅ 刺激感は30人(50%)に発生した。

 ✅ TEWL値は、刺激感のある患者の方が、そうでない患者よりも統計的に有意に高かった (113.7 ± 78.4 g/m2h vs. 27.5 ± 23.2 g/m2h, p < 0.001)

 ✅ 刺激感のある30人のうち、13人(21.7%)がタクロリムス外用薬の使用を中止し、17人は徐々にタクロリムス外用薬に耐えられるようになった。

 ✅ 中止された患者の13人中12人は、保湿剤と混合するとタクロリムス外用薬に耐えられるようになった。

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