以下、論文紹介と解説です。

Simonart T, De Maertelaer V. Curettage treatment for molluscum contagiosum: a follow‐up survey study. British journal of dermatology 2008; 159:1144-7.

伝染性軟属腫に対して摘除術を施行した73例を2か月間追跡調査し、治療失敗した要因を調査した。

背景

■ 伝染性軟属腫の治療には摘除術が一般的に用いられるが、その有効性に関する前向き研究は不足している。

 

目的

■ 伝染性軟属腫の治療における摘除術の効果を前向きに評価し、治療失敗に関連する危険因子を特定する。

 

方法

伝染性軟属腫に対して摘除術を施行した73例を対象に、2か月間の系統的な追跡調査を行った。

 

結果

■ 摘除による伝染性軟属腫の治療は、4週目(64人中42人;66%)、8週目(55人中25人;45%)の治療失敗のリスクと関連していた。

4週目および8週目の治療失敗の危険因子は、第0日の軟属腫の数(P<0·001)、関係している解剖学的部位の数(P<0·001)、併発しているアトピー性皮膚炎(4週目; P=0·038、8週目; P<0·001)だった。

 

結論

■ 治療失敗の主な危険因子は軟属腫の数であり、軟属腫の早期発見の重要性を強調する。

■ あるいは軟属腫が多数におよぶ患者におけては、摘除術以外の治療法の必要性が強調される。

 

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伝染性軟属腫の数、場所の数、アトピー性皮膚炎があると、摘除が失敗に終わりやすいかもしれない。

■ 摘除が失敗に終わりやすいリスク因子として、その軟属腫の数が影響するのも、アトピー性皮膚炎も、たしかにその通りな印象ですね。

■ 数が多くなってしまうと、経過を見ざるを得ないケースもあると思います。

■ 数が多くなる前に摘除するか、アトピー性皮膚炎を十分コントロールするかが重要ともいえそうです。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ 伝染性軟属腫の摘除は、軟属腫の数が多くなる、アトピー性皮膚炎が併発していると治療が失敗しやすい。

 

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