以下、論文紹介と解説です。

Wei Y-H, et al. Bidirectional association between alopecia areata and atopic dermatitis: A population-based cohort study in Taiwan. Clinical & Experimental Allergy 2020; 50:1406-14.

台湾の国民健康保険研究データベースを利用し、円形脱毛症患者12,022人とマッチドコントロール48,088人で円形脱毛症からアトピー性皮膚炎を発症するリスクを(解析1)、アトピー性皮膚炎患者40,307人とマッチドコントロール161,228人を対象としてアトピー性皮膚炎患者が円形脱毛症を発症するリスクを評価した(解析2)。

背景

■ 円形脱毛症(alopecia areata; AA)とアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)の関連は、先行研究で報告されている。

■ しかし、この関連性が一時的なものなのかは、先行する横断的研究や症例対照研究からは不明である。

 

目的

■ 本研究では、AAとADの双方向性の関連を調査することを目的とした。

 

方法

■ 参加者は、台湾の国民健康保険研究データベースからリクルートした。

■ 解析1では、AA患者12,022人とマッチドコントロール48,088人を対象とし、AAとADリスクの関連を評価した。

■ 解析2では、AD患者40,307人とマッチドコントロール161,228人を対象とし、ADとAAリスクの関連を評価した。

■ Cox回帰モデルを用いて、調整ハザード比(adjusted hazard ratios; aHR)と95%信頼区間(confidence intervals; CI)を算出した。

 

結果

対照群と比較して、AA患者は潜在的交絡因子の調整後、AD発症のリスクが有意に高かった(aHR 5.47; 95%CI 4.76-6.28)

論文から引用。円形脱毛症があると、アトピー性皮膚炎を発症するリスクが高くなる。

■ 同様に、AD患者はAAを発症するリスクが有意に高かった(aHR:6.00; 95%CI 5.04-7.14)

論文から引用。アトピー性皮膚炎があると、円形脱毛症を発症するリスクが高くなる。

 

結論

■ 本研究では、AAとADの間に双方向の関連性があることが示唆され、この2つの疾患が共通の発症メカニズムを持っている可能性が示唆された。

■ この知見は、AA患者のフォローアップやADのスクリーニング、あるいはその逆の場合にも影響を与える。

 

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円形脱毛症とアトピー性皮膚炎は、双方向に関連する。

■ アトピー性皮膚炎と円形脱毛症の関連は、以前から指摘されていましたが、その知見を補強する研究結果です。

 

■ 小児科医が円形脱毛症を治療する場合に、第一選択はステロイド軟膏になります。

■ ランクが低いとほとんど効果がなく、I群が必要になるという報告があります。

■ 最近、I群のステロイドを使用したシャンプーが市販されるようになり、クリニックの皮膚科で処方されている患者さんを見かけました。

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■ 効果があるかどうかはわかりませんが、たしかに一つの手法かもしれないと感じました。

 

今日のまとめ!

 ✅ アトピー性皮膚炎があると円形脱毛症を発症しやすくなり、その逆もありうる。

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