妊娠中のフェキソフェナジン(アレグラ)の内服は、先天異常のリスクを増加させない

妊娠中の薬剤に関して、心配される方は少なからずいらっしゃいます。

■ 妊娠中の薬剤に関しては、気にかかる方が多いテーマです。

■ 私は小児科医ですが、妊娠中の方に質問されることもよくあります。

■ これから花粉症の季節になることもあり、抗ヒスタミン薬の使用に関して気にかかる方もいらっしゃいます。

■ 一般的に、妊娠中の花粉症の薬剤に関しては、バイオアベイラビリティの低い点鼻薬(フルチカゾンやモメタゾン)が問題がないだろうと考えられています(妊娠と授乳:南山堂)。

■ ステロイド点眼も、たとえばベタメタゾン点眼薬に関し、濃度や量からも全身移行する量はすくなく、問題にはならないとされています(妊娠と授乳:南山堂)。

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■ どうしても心配という方には、鼻腔にワセリンなどを塗布するなども考慮されます。

■ そして、内服の抗ヒスタミン薬は、歴史的にはセチリジンを使用されることが多いようです。

■ それは、安全性評価された報告があるからです(Reprod Toxicol 2008; 26:19-23.)。

■ では、市販薬などにもなっているフェキソフェナジン(アレグラ)などはどうでしょうか。

■ 最近、JAMA Pediatricsに報告がありますので共有します。

 

※もちろん、妊娠中の薬剤処方に関しては、かかりつけの産婦人科医に相談くださいね。

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

2001年1月1日から2016年12月31日までのデンマークでの妊娠1,287,668件を対象に、フェキソフェナジンの使用と妊娠中のセチリジンの使用における主要な先天異常と自然流産を比較したところ、

 ✅ 妊娠中のフェキソフェナジンの使用と、妊娠中のセチリジンの使用を比較して、先天異常(有病率OR 1.06; 95%CI 0.81-1.37)や自然流産(HR 0.93; 95%CI 0.82-1.07)のリスクは差がなかった。

 

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