無症状の人も含めてマスクを着用する『ユニバーサルマスキング』は、コロナ感染を減らしうるか?:ランダム化比較試験

ユニバーサルマスキング(無症状の人も含めてマスクを着用する)ことは、新型コロナ感染を減らしうるか?

■ 公共の場でのユニバーサルマスク(無症状の人も含めてマスクを着用する)は、コロナ感染のリスクを減らす方法として、数多くの観察研究で効果が証明されています。

■ 物理的な距離を保つと3倍、マスク着用が実践されると5倍、感染の伝播が抑えられたという報告もあります(Chu VT, Yousaf AR, Chang K, Schwartz NG, McDaniel CJ, Lee SH, et al. Household Transmission of SARS-CoV-2 from Children and Adolescents. N Engl J Med 2021; 385:954-6.)。

■ しかし、厳密な意味での介入研究が難しいテーマでもあり、ランダム化比較試験は小規模なものにとどまっていました。

■ そこで、最近のScience誌に、大規模な介入試験の結果が報告されていますので共有します。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

バングラデシュの農村部において、マスク着用促進という介入方法によるランダム化比較試験を実施し(600村,成人342,183人)、その効果を確認したところ、

 ✅ 介入した村では、適切なマスク着用率が13.3%から42.3%に増加した(調整済みパーセントポイント差 = 0.29; 95%信頼区間 = [0.26, 0.31] )が、ソーシャルディスタンスには有意差はでなかった。

 ✅ 新型コロナ様症状を有する人の割合は、介入群で7.63%(N = 12,784)、対照群で8.60%(N = 13,287)であり、共変数を調整後、推定11.6%減少した。

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