手指衛生の方法は、どの手法が効果的か?
■ そもそも、手指衛生の方法に関しては、石鹸洗浄とアルコール消毒には一長一短あるのですが、手指衛生をとても頻回に行う医療従事者にとって選択しつつ行うことになります。
■ そして、石鹸洗浄よりも、アルコール消毒のほうが手のバリア機能を傷めにくく細菌も減らしやすいことはある程度の報告があります。
■ そのうえで、石鹸洗浄、アルコール消毒、消毒用手拭きにランダム化して皮膚のバリア機能や細菌量の変化がどれくらい差があるかをみた研究結果が報告されました。
■ いままでの研究よりも参加人数が多かったので、すこし気になって読んでみました。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
医療者62人を手指衛生において、石鹸洗浄、アルコール手指消毒、消毒用ウェットティッシュに3群にランダム化し、8時間の勤務後の皮膚バリア機能や菌量を比較したところ、
✅ 軽表皮水分蒸散量は、石鹸やアルコール手指消毒よりも消毒用ワイプで高かった(それぞれ +5.45 vs +3.87 vs -1.46 g h-1 m-2; P = 0.023)。
✅細菌や真菌のコロニー形成単位(CFU)数の減少の程度は、石鹸洗浄群は、アルコール手指消毒や消毒ウェットティッシュよりも少なかった。