ペットのアレルゲンは、どれくらいの頻度・濃度で家庭に存在するのか?
■ ペットは、アレルゲンとして大きなものです。
■ たとえば米国国民健康栄養調査調査(National Health and Nutrition Examination Survey)に参加した数千万人のデータを確認すると、イヌにアレルギーのある喘息患者において喘息発作の44.2%がイヌアレルゲンへ強くさらされて起こり、ネコにアレルギーのある患者の喘息発作の30.3%は、ネコアレルゲンへ強くさらされて起こっていると推定されています。
■ イヌアレルゲンとしてはCan f 1、ネコアレルゲンとしてはFel d 1が有名です。
■ そして、感作はCan f 1で2μg/g以上、Fel d 1で1μg/g以上でリスクが上がり、アレルギーによる喘息症状はCan f 1で10μg/g以上、Fel d 1で8μg/g以上でリスクがあがることが示されています(Clin Exp Allergy. 1998 Jan;28(1):53-9.)
■ とはいえ、ネコやイヌアレルゲンは衣服について拡散することもわかっており、なかなか避けがたいものです。
■ 実際に、ペットを飼っていると、飼っていない家に比較してどれくらいアレルゲン量が多いのでしょうか?
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
米国の住宅831戸から、ハウスダスト中のイヌアレルゲンCan f 1やネコアレルゲンFel d 1濃度を測定し、感作閾値や喘息発作閾値を超える濃度がどれくらい検出されるかを検討したところ、
✅ 感作の閾値をCan f 1 を2μg/g以上、Fel d 1を1μg/g、喘息発作の閾値をCan f 1 を10μg/g以上、Fel d 1を8μg/g以上とすると、
Can f 1は、室内犬を飼っている家庭では98.0%、室内犬を飼っていない家庭では36.2%が感作閾値を超えていた。さらに、室内犬を飼っている家庭では89.7%、室内犬を飼っていない家庭では9.3%が喘息症状の閾値を超えていた。
Fel d 1は、室内猫を飼っている家庭では99.1%、室内猫を飼っていない家庭では55.7%が感作閾値を超えていた。さらに、室内猫を飼っている家庭の95.3%、室内猫を飼っていない家庭の15.7%が喘息症状の閾値を超えていた。
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