経皮感作だけでなく、『感作そのもの』がその後の別のアレルギーのリスクに注目されるようになってきている。
■ 乳幼児期のアトピー性皮膚炎がその後の気管支喘息の発症リスクになることは、すでに多くの報告が公開されています。
■ 一方で、乳幼児期の食物アレルゲン感作が、その後の気管支喘息の発症リスクがあがることも報告され(J Allergy Clin Immunol 2009; 123:911-6.)、感作そのものへの注目が集まってきています。
■ そこで、最近PAIに発表された、小児期の食物アレルギーや食物アレルゲン感作が、成人期での気道アレルギー(喘息や鼻炎)のリスクをあげるかどうかをワイト島コホート(英国で実施中の大規模コホート試験)からの報告を共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
ワイト島出生コホートに参加した1456人を1~26歳における食物アレルギー・感作の状態をフォローし、小児期の食物アレルギー・感作と、18歳・26歳のアレルギー性気道疾患との関係を調査したところ、
✅ 4歳時の食物アレルギーは、18歳(調整オッズ比[aOR] 2.75; 95%CI 1.53-4.92; p=0.001)や26歳(aOR 2.62; 95%CI 1.32-5.20; p=0.006)における喘息のリスクを上昇させた。
✅ 4歳と10歳の食物アレルゲン感作は18歳・26歳でのアレルギー性気道疾患と関連していたが、食物アレルゲン感作と鼻炎のリスクの上昇は、喘息に比べてあまりはっきりしていなかった。