アトピー性皮膚炎(病因) アトピー性皮膚炎の皮膚に定着している黄色ブドウ球菌量は、その後の治療効果を予測する アトピー性皮膚炎に対する黄色ブドウ球菌の役割。 ■ アトピー性皮膚炎があると黄色ブドウ球菌が皮膚に高頻度で定着し、悪化に大きな影響を与えていることが報告されています。 ■ そして最近のAllergy誌に、皮膚の黄色ブドウ球菌が多いと保湿剤だけでは十分な改善が望みにくいことが報告され、黄色ブドウ球菌の役割の大きさを想像さ... 2020年12月8日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) 乳幼児にデュピルマブ(商品名デュピクセント)の単回投与は有効か?(LIBERTY AD PRE-SCHOOL試験) デュピルマブは、12歳以上の重症喘息、成人の重症アトピー性皮膚炎に保険適用のある生物学的製剤です。 ■ アトピー性皮膚炎の炎症を伝えるサイトカインであるIL4/IL13を抑える生物学的製剤であるデュピルマブは、重症アトピー性皮膚炎の治療を大きく変えようとしています。 ■ さらには、12歳以上の重症喘息にも適応がおりまし... 2020年10月1日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(病因) 月経は、アトピー性皮膚炎の悪化に関連するか? 月経に関連してアトピー性皮膚炎が悪化するか?という質問を受けました。 ■ アトピー性皮膚炎が生理の周期に合わせ悪化することは多くの女性が感じておられるようです。 ■ 小児科では乳幼児期が全体の多くを占めるため、このケースは限られた患者さんにはなりますが、悪化するパターンもあることは感じます。 ■ ある医学サイトでアトピ... 2020年9月18日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(予防) 低・中所得国で生まれた早産児に対し、新生児期からの保湿剤塗布にメリットがあるか? 早産児に対する保湿剤(エモリエント)は、感染症を減らす? ■ 早産児に対する保湿剤の効果に関しては、現状では結果がはっきりしていません。 ■ 早産児に対して保湿剤を塗る理由はアトピー性皮膚炎の発症を減らすことよりも、もともとは、皮膚バリア機能を改善させることで『感染症を減らし』『死亡率を下げる』ことが目的だったようです... 2020年7月28日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(予防) 新生児の沐浴、洗浄に布を使うか?使わないか? 新生児の沐浴に、ガーゼを使うケースは多い。 ■ 新生児期の沐浴に際し、ガーゼを使うことは多いようです。 ■ 2013年に山梨大学で行われたアンケート調査では、半数以上がガーゼを使用していました(日本小児皮膚科学会雑誌 33(1):7~12,2014)。 ■ 一方で、ガーゼでごしごし拭いている場面も少なからず見かけますし... 2020年7月26日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(予防) 乳児期の洗浄、洗浄剤あり?なし? 乳児期の洗浄に関し、洗浄剤を使うか?使わないか? ■ 皮膚のケアにおいて、洗浄剤を使うかどうかは意見がわかれるテーマです。 ■ 以前、アトピー性皮膚炎のスキンケアに関して、『洗うか、洗わないか』の記事を書きました。 アトピー性皮膚炎のスキンケア、洗う? 洗わない? ■ では、新生児~乳児期の、まだアトピー性皮膚炎がな... 2020年7月21日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) 乾燥肌の際に、柔軟剤を使用するとむしろ改善に働くかもしれない アトピー性皮膚炎に柔軟剤は悪化要因ですか? ■ アトピー性皮膚炎のお子さんをもつ保護者さんから、『柔軟剤を使用しても大丈夫ですか』という質問を受けることがあります。 ■ どうも柔軟剤の使用は、アトピー性皮膚炎のお子さんに使用してはいけないという風聞が多いようで、そのためのようです。 ■ しかし一方で、柔軟剤によりむしろ... 2020年7月12日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) ネモリズマブを外用薬に追加して使用すると、アトピー性皮膚炎の痒みや生活の質が明らかに改善する ネモリズマブは、とくに『アトピー性皮膚炎の痒み』を軽減する効果が期待される生物学的製剤(IL31抗体)です。 ■ アトピー性皮膚炎は皮膚のバリアが傷害され、炎症が強くなる病気ですが、炎症が行き過ぎる場合が多くなり、様々な問題が起こってくることになります。 ■ たとえば、かゆみによって睡眠障害を来したり、生活の質が低下し... 2020年7月9日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(予防) 完全母乳栄養は、アトピー性皮膚炎の発症に働く?予防に働く? 母乳栄養は、アトピー性皮膚炎の発症に予防に働くのか、発症に働くのか、いまだに論争中です。 ■ 母乳に良い面がたくさんあることは確かですが、個人的には、人工乳に対して特に否定的な考えはありません。結果的にきちんと成長を補佐できればよいのです。 ■ 一方で、アトピー性皮膚炎の発症と母乳栄養に関しては相反する研究結果が多く、... 2020年5月30日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) 中等症以上のアトピー性皮膚炎は、糖尿病のある子どもよりも家族の生活への影響がある アトピー性皮膚炎は、本人だけでなく家族の生活の質を下げる。 ■ アトピー性皮膚炎は、睡眠の質やかゆみにより、本人の生活の質だけでなく、家族の生活の質も下げることが報告されています。 ■ 糖尿病のお子さんとの比較をどこかで読んだことがあったのですが、最近、その元論文を見つけたので、自分の中の知識ストックとして備忘録として... 2020年5月18日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) アルコール消毒剤と洗浄剤は、どちらのほうが皮膚を傷めるか? 消毒剤と洗浄剤、どちらのほうが皮膚を傷めやすいか? ■ 手指消毒や洗浄が多くなっている昨今、どちらのほうが皮膚を傷害しやすいのでしょうか? ■ それを比較した検討がありましたので、ご紹介します。 この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? ボランティア17人の上腕内側・前腕部に対し、洗浄剤を使用する群、消毒剤を... 2020年5月14日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(診断) アトピー性皮膚炎の新規バイオマーカーSCCA2は、他のバイオマーカーより有用かもしれない アトピー性皮膚炎における新規バイオマーカーであるSCCA2。 ■ アトピー性皮膚炎は潜在的な炎症も治療対象になるため、バイオマーカーの探索はとても重要です。 ■ 現在、保険適用され使用されている『血清TARC』もとても重要ですが、年齢が低いほど自然に高くなってしまうという特性もあり、留意しながら使用する必要性があります... 2020年4月30日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) アトピー性皮膚炎の乾燥肌に対する保湿剤は、保湿成分が入っている方が効果的である アトピー性皮膚炎に対する保湿剤は、エモリエントか?モイスチャライザーか? ■ アトピー性皮膚炎に対する”保湿剤”に関して、安価なワセリン(エモリエント)を使う場合も多いですが、個人的には保湿成分が含まれたモイスチャライザーを使うことが多いです。 ■ 実際、成人に関しては保湿成分を含んだほうが寛解維持率が高いという報告も... 2020年4月27日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) ホスホジエステラーゼ4阻害薬crisaborole(商品名Eucrisa)軟膏は、2歳未満でも使用できるか? ホスホジエステラーゼ4阻害薬外用薬(crisaborole軟膏)が注目されてきています。 ■ ホスホジエステラーゼ4阻害薬外用薬(crisaborole軟膏)は、アトピー性皮膚炎に対する、新規のステロイドでない外用薬です。 ■ 米国においては2歳以上に承認されるに至っています(日本ではまだ使用できません)。 ■ 今回、... 2020年4月23日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) 中等症以上のアトピー性皮膚炎の初期治療は、頻回入浴の方が改善しやすい アトピー性皮膚炎治療に関する入浴回数が議論されることは多いです。 ■ アトピー性皮膚炎に対し、入浴回数が議論されやすいことはこれまでもブログでお話してきました。 ■ そして、web記事や医学雑誌ても記事をまとめて発表してきて、4/23に発売予定の本の中でもエビデンスを絡めて詳しく書きました。 ■ そしてこのテーマに関し... 2020年4月21日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(副作用・害) アトピー性皮膚炎は、皮膚以外の感染症のリスクを上げるかもしれない アトピー性皮膚炎は、皮膚感染症以外の感染症を起こしうる。 ■ アトピー性皮膚炎は、皮膚の感染症を増やすことははっきりしています。 ■ 皮膚の疾患であるアトピー性皮膚炎が、皮膚の感染症を増やす可能性があることは十分考えられると思います。 ■ しかし一方で、アトピー性皮膚炎が皮膚以外の感染症のリスクを上げるという報告もあり... 2020年4月9日 pedallergy2016