オマリズマブ(ゾレア)の使用中は、経口免疫療法の副反応は減少するが、その後は?

■ 以前、オマリズマブ(商品名ゾレア)を併用することによって、牛乳免疫療法の副反応を減らす可能性があるという報告をお示ししました。

■ さらに、オマリズマブは慢性蕁麻疹にも付加的な効果があることも報告されています。

■ 注目されている補助療法ではありますが、今回は、オマリズマブ併用で食物経口免疫療法を行った症例は、オマリズマブを中止した後に副反応が起こりやすくなるのではないかという症例集積研究をお示しします。

 

PECO
P: グレード3-4のアレルギー反応があるため従来の食物経口免疫療法(OIT)を行うことができなかった14例(3-13歳)
E: オマリズマブ(ゾレア)を併用した鶏卵・乳食物経口免疫療法
C: -
O: オマリズマブ終了後12ヶ月間のOIT関連の副反応

 

結果

■ オマリズマブは、添付文書通りの投与量で投与開始後9週間経過後、食物経口免疫療法(OIT)は開始された。

■ 乳OITは、乳蛋白として初回量、0.33mg・最終用量、6.6gとし、維持フェーズでは乳200ml(乳蛋白6.6g)を負荷とした。

■ 鶏卵は、滅菌された液状の生卵白を使用し、蛋白量として初回量0.06mg・最終負荷量1.8g(=卵白17ml;約半個)とした。卵白は導入フェーズにおいて2日間の急速免疫療法をおこない、外来で17mlまで増量した。免疫療法終了1週間後に、卵白33ml=1個でオープン負荷試験を行った。

■ 導入フェーズで最終用量に達した後、オマリズマブを2ヵ月間投与後、オマリズマブは中止された。

■ オマリズマブ中止後、食物の耐用量が減少する可能性があるため、維持量は一時25%に減量された(乳50mlと卵白5ml)が、オマリズマブ中断後の12ヵ月間で、すべての患者は再び最大量に到達し、毎日乳200mlと卵白17mlで維持した。

■ 導入フェーズ終了後、すべての患者は、脱感作を達成し、4例(28%)のみ、導入フェーズにおける軽度のアレルギー反応が認められたが、アドレナリンを使用した例はなかった。

■ 以上の結果にもかかわらず、オマリズマブ中止後、2.5-4ヶ月後に6例でグレード3-4のアナフィラキシー反応をきたした(症例1:腹痛、嘔吐、気管支攣縮、じんま疹、外耳血管性浮腫。症例4:鼻炎、じんま疹、咳、気管支攣縮。症例5:じんま疹、咳、血管性浮腫、嘔吐。症例10:鼻炎、腹痛、嘔吐。症例12:じんま疹、気管支攣縮。症例14:じんま疹、腹痛、嘔吐。)

■ 再燃する患者での危険因子は特定することができなかった。

 

食物アレルギー治療におけるゾレアの効果は長続きしないのかもしれない。

■ オマリズマブ(ゾレア)は、食物経口免疫療法が困難である例に対し、導入成功率を上げる方法として期待されていますが、最近、乳OITに関して、副反応は減少させるが成功率はあげないという報告もあります。

■ 今回の報告はOITの成功例は多かったようですが、中断すると症状が再燃する可能性があるという結果になります。まだまだ、オマリズマブの免疫療法への活用は難しい側面があるといえそうです。

■ 喘息においても、ゾレアの効果は次のシーズンまでは続かないようなので、食物アレルギーでもそうなのかもしれません。

 

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