離乳食導入タイミングはアレルギー疾患のリスクを変化させる: システマティックレビュー&メタアナリシス

2017年6月6日

Ierodiakonou D, et al. Timing of Allergenic Food Introduction to the Infant Diet and Risk of Allergic or Autoimmune Disease: A Systematic Review and Meta-analysis. Jama 2016; 316:1181-92.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27654604

 


最近、BMJから、加水分解乳(低アレルゲンミルク)の早期介入がアレルギー疾患や自己免疫性疾患の予防にはならないというシステマティックレビューが報告されました。

少し内容が異なりますが、今度はJAMAから食物導入のタイミングがアレルギー疾患に関与するかを検討したシステマティックレビューが発表されました。


 

P: 1946年1月から2016年3月のMEDLINE, EMBASE, Web of Science, CENTRAL, LILACS databasesから抽出された、1歳までに食物導入のタイミングを評価し、自己免疫性疾患もしくはアレルギー感作を報告した介入試験と観察研究 146研究からの204報告

E: 食物の導入のタイミング

C: –

O: 喘鳴、湿疹、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アレルゲン感作、1型糖尿病、セリアック病、炎症性腸疾患、自己免疫甲状腺疾患、若年性関節リウマチの発症リスクに影響するか

 

結果

介入試験24件(39報告)は、13298人の参加者においてアレルギーの転帰を評価し、介入試験5件(6報告)は、5623人の参加者において自己免疫性疾患を評価した。 観察研究69件(90報告)は、142103人の参加者においてアレルギーの転帰を報告し、観察研究48件(69報告)は、63576人の参加者において自己免疫性疾患を評価した。 コホート研究55件(1件は後方視的)、コホート試験内でのケースコントロール研究2件、ケースコントロール研究もしくは横断研究12件が、アレルギーの転帰を報告し、 コホート研究7件、コホート試験内でのケースコントロール研究4件、ケースコントロール研究37件が、自己免疫性疾患を評価した。

 

食物アレルギーとアレルゲン感作のリスク

メタアナリシス(5試験1915人)は、生後4~6ヵ月の卵早期導入が、卵アレルギーを減少させるという中等度のエビデンスを示した(リスク比[RR]0.56; 95%信頼区間[CI](0.36-0.87; I2=36%; p=0.009)

5.4%の卵アレルギー発症率のある集団に対する絶対危険度の減少は、1000人につき24例(95%CI 7-35例)だった。

メタアナリシス(2試験1550人)は、生後4~11ヵ月のピーナッツ早期導入が、ピーナッツアレルギーを減少させるという中等度のエビデンスを示した(RR 0.29; 95%CI(0.11-0.74); I2=66%; p=.009)

2.5%のピーナッツアレルギー発症率のある集団に対する絶対危険度減少は、1000人につき18例(95%CI 6-22例)であった。

他の食品に対するアレルギーのリスクは、卵やピーナッツ導入のタイミングにより減少しなかった。

前向きコホート研究(1件参加者699人)は、卵早期導入が卵アレルギーを有意に減少する(オッズ比[OR]、0.29; 95%CI 0.15-0.56)と報告したが、コホート研究(3件13472人)は研究ごとの異質性のためにメタアナリシスが実施できなかった。

 

アレルギー性鼻炎のリスク

介入試験(13件6333人)と観察研究(12件25147人)が、アレルギー性鼻炎のリスクを評価した。

コホート研究(4件12781人)は、生後6~12ヵ月の魚導入が4歳以下(OR 0.59; 95%CI、0.40-0.87;I2=59%])、5~14歳(OR、0.68; 95%CI、0.47-0.98)においてアレルギー性鼻炎を減少させることを示唆した。

 

喘鳴のリスク

介入試験(16件8433人)と観察研究(30件65601人)は、喘鳴のリスクを評価した。

コホート研究(3件11155人)は、8~12ヵ月目の魚導入が4歳以下で再発性喘鳴を減少させることを示唆した(OR、0.72; 95%CI、0.59-0.87;I2=0%)。しかし、他の5件の報告(13033人)は、魚導入のタイミングと喘鳴の間に関連を示唆しなかった。

 

湿疹のリスク

介入試験(17件6798人)と観察研究(37件59120人)は、湿疹のリスクを評価したが、一貫した関連を認めなかった。

 

自己免疫性疾患のリスク

介入試験(5件5623人)と観察研究(48件63576人)は自己免疫性疾患のリスクを評価した。その他2件の観察研究データによるシステマティックレビューも確認されたが、グルテン導入のタイミングとセリアック病の間に一貫した関係を見つけられなかった。

観察研究は、グルテン導入のタイミングとセリアック病や炎症性大腸疾患のリスクの間に関連を示唆せず、乳導入とセリアック病や若年性特発性関節炎にも関連を示唆せず、食物導入のタイミングと1型糖尿病のリスクにも関連を示唆しなかった。

 

 

コメント

卵やピーナッツの乳児に対する早期導入は、卵もしくはピーナッツアレルギーのリスクを減少させると結論されていました。

最近、食物アレルギー予防のための食物早期導入のランダム化比較試験が次々と発表され、食物アレルギー診療に大きなパラダイムシフトが訪れています