乳児期の汚水への曝露が感作を抑制する?

衛生仮説の難しさを、上水道の汚染事故から検討した報告。

■ 衛生仮説は、微生物にさらされることが少なくなるとアレルギー疾患の発症リスクが高くなるという現象のことです。

■ 衛生仮説の難しさに関しては以前記事にまとめたことがありますが、今回も衛生仮説に関連した興味深い報告をご紹介します。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

汚水が飲料水に混入する事故があったフィンランドのある町において、その後の感作やアレルギー疾患発症との関連を検討したところ、

 ✅ 5年後の皮膚プリックテストの陽性は、1歳未満に汚水に曝露された小児において、特に曝露時に胃腸炎を発症しなかった小児で低下した(OR 0.311; 95% CI 0.118~0.820; P=0.019)。

 ✅ 一方で、汚水に曝露時1歳以上の小児は、5年後に皮膚プリックテスト陽性になる傾向が高くなった(OR 1.997; 95% CI 0.963~4.143; P=0.07)。

 

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