オマリズマブ(ゾレア)はアトピー性皮膚炎に効果があるか?:システマティックレビュー&メタアナリシス

2017年7月13日

 

Wang HH, Li YC, Huang YC. Efficacy of omalizumab in patients with atopic dermatitis: A systematic review and meta-analysis. J Allergy Clin Immunol 2016; 138:1719-22.e1.

 

ゾレアの治療領域は、喘息以外にも広がってきています。

omalizumab(商品名:ゾレア)は、本邦でも重症喘息に対し保険適応があり、慢性じんましんに対しても申請が行われています。

以前、慢性じんましんに対する効果や、経口免疫療法に対する併用効果に関して、本ブログでもご紹介いたしました。

今回は、アトピー性皮膚炎に対する併用効果に対するシステマティックレビューをご紹介いたします。

 

P: 2015年11月30日までPubMed, MEDLINE, EmBase, Cochrane Libraryに対し、アトピー性皮膚炎に対するomalizumab治療に関するRCT、比較研究、3例以上の症例集積研究

E: アトピー性皮膚炎に対するomalizumab治療

C: –

O: omalizumab治療によりアトピー性皮膚炎が改善するか

 

 

アトピー性皮膚炎に対するゾレアの治療効果に関し、13研究をまとめて検討。

 

計15研究(RCT2件、3例以上の症例集積研究13件)が特定され、13研究(103例)が分析された。

患者の60.5%は、試験開始時にアトピー性皮膚炎が重症であり、76%が喘息だった。

総血清IgE値700IU/mL未満はわずか25%であり、患者の43.4%は5000IU/mLを上回っていた。

omalizumabの月ごとの総適応量で、600mg/ヵ月以上または600mg/ヵ月未満の2群に分けられた。

臨床効果は、SCORADの50%以上の低下、EASIの75%以上の低下、完全寛解(IGA[ Investigators’ Global Assessment ] 0へ改善)、IGA/修正IGA重症度(例えば、重篤から軽症)の2段階以上の改善であり、治療後の悪化は、SCORADの25%以上の上昇と定義された。

患者の43%(44/103例)は優れた臨床効果を、27.2%が満足できる効果、30.1%は不十分な臨床効果もしくは悪化を認めた

すべての詳細なデータを含んだ83例(12研究)による多変量ロジスティック回帰では、IgE血清濃度700IU/mL未満群は、700~5000IU/mL群(オッズ比12.3; 95%CI、2.46-62.5)、5000IU/mL以上群(オッズ比、9.17; 95%CI、1.83-45.5)と比較して、有意に臨床効果が優れていたことが示された。

年齢、性、、ベースラインの重症度、喘息既往歴、600mg/ヵ月以上のomalizumab使用は、臨床結果との有意な関係を示唆しなかった。

 

 

ゾレアのアトピー性皮膚炎に対する効果に関し、十分な証拠は得られなかったが、総IgE値が低値であればメリットがあるかもしれない。

 

アトピー性皮膚炎に対するomalizumab使用に関し、確固たるエビデンスは今回のメタアナリシスとシステマティックレビューでは示されないとまとめられていました。

しかし、総IgEが低値であれば有益性がある可能性があるとされています

生物学的製剤は様々な分野に使用されるようになり、大きく医療を変えようとしています。

■ 最近、幾つかの生物学的製剤がアトピー性皮膚炎治療に応用された報告がなされるようになりました。効果に関しては様々ですが、デュピルマブは有望のようです。

私はomalizumabに関して多くの経験があるわけではありませんが、今後の発展についていかなければなあと思っています。

 

* 2017/7/13 新しい生物学的製剤の情報を追記しました。

 

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