少量卵を継続して摂取しても、免疫療法として効果がある

2017年8月14日

Yanagida N, et al. Safety and Efficacy of Low-Dose Oral Immunotherapy for Hen’s Egg Allergy in Children. Int Arch Allergy Immunol 2016; 171:265-8.

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■ 食物アレルギーの経口免疫療法(少量ずつ摂取していって食べられる量まで誘導する)は、リスクがあり、決して簡単ではありません。

■ また相模原病院の柳田先生からのご報告ですが、少量で摂取を1年間継続すると摂取量が増えるかもしれないという研究結果をご紹介いたします。

■この論文は、全文がフリーで読めますので、少し詳しめにFigureもご紹介したいと思います。

PECO
P:1/32個の加熱全卵経口食物負荷試験によって確定診断された5歳以上の卵アレルギー児33人
E:スクランブルエッグ 1日1回 漸増 1/32後まで
C:摂取しない群
O:1年後の卵の持続的耐性(1/32個もしくは1/2個)

 

結局、何を知りたい?

 ✅少量の加熱卵の継続でも、卵の経口免疫療法が成り立つかどうかということを知ろうとしている。

 

結果

■ 開始時に、OIT群と対照群に有意差は認めなかった。OIT群と対照群において、それぞれ、18/21人(85.7%)と9/12人(75.0%)は、アナフィラキシーの既往歴があった。

 

論文から引用。ベースラインの卵白・オボムコイド特異的IgE抗体価はかなり高く、重症例が多い。

■ 12ヵ月後に、OITを2週間中止した後、OIT群と対照群はそれぞれ、1/32個の加熱卵に対して71%(15/21)、0%(0/12)の持続性耐性(sustained unresponsiveness;SU)を示した(p < 0.001)

■ また、OIT群 33%(7/21)、対照群 0%(0/12;)が、加熱卵1/2個に対するSUを示した(p = 0.032)

■ OIT群の卵白もしくはオボムコイド特異的IgE抗体価は、試験開始時より12ヵ月後に有意に低値だった。

 

論文より引用。OIT群はIgEは低下し、IgG/IgG4は上昇している。

■ OIT群のIgG4抗体価と同様に、卵白もしくはオボムコイド特異的IgG抗体価は、試験開始時より、1、3、6、12ヵ月後に有意に高値だった。

■ 有害なアレルギー反応はまれであり、大部分は軽症だった。

結局、何がわかった?

 ✅加熱卵1/32個で継続摂取することで、1年後に1/2個の加熱卵を7割以上摂取できるようになった。

 ✅ 除去群は1人も摂取出来るようにならなかった。

 

コメント

■ 低用量継続摂取を行うOITでも、重篤な症状なく1/32もしくは1/2加熱卵に、持続性耐性(SU)を誘導したとまとめられます。
■ 食物アレルギーの治療のために、食品を少量で継続して摂取することは、より多い量の摂取と同様に効果的であるかもしれないと述べられていました。

 

 

今日のまとめ!

 ✅加熱卵を少量で継続しても、ある程度重篤な卵アレルギー児でも治療できるかもしれない。

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