2歳以降の母乳栄養は、虫歯の原因となるかもしれない

Peres KG, et al. Impact of Prolonged Breastfeeding on Dental Caries: A Population-Based Birth Cohort Study. Pediatrics 2017; 140.[Epub ahead of print]

母乳の期間にまつわる問題。

■ 母乳栄養は、一般的にはメリットが大きいとされています。

完全母乳は、乳児期の死亡リスクを低下させる: メタアナリシス

■ しかし、あまりに長期に及ぶことは問題が出る場合があり、今回は虫歯と母乳期間における報告です。

 

PECO
P: 2004年に開始となったブラジルのPelotasで実施されている出生コホート研究に参加し,4歳時の追跡調査に参加した1303人
E: 出生時、3、12、24ヵ月時の母乳栄養
C:
O: 母乳栄養の継続時間は、う歯(虫歯)のリスク因子か

 

結局、何を知りたい?

 ✅母乳栄養期間によるこどものう歯(虫歯)への影響を知ろうとしている。

 

 

母乳の期間で虫歯のリスクは変わるか?

■ う歯は、世界保健機関基準に従い、未処置う歯・う蝕原因の喪失歯、もしくは充填歯指数(decayed, missing, and filled primary tooth surfaces;dmfs)と重篤な早期の小児期う歯(severe early childhood caries ;SECC:dmfs≧6)の平均数が、5歳時に調査された。

SECCの有病率は、23.9%でああり、dmfsの平均数は、4.05だった

生後24か月以上まで母乳で育てられた児は、生後12ヵ月まで母乳で育てられた児よりも、dmfs(mean ratio: 1.9; 95%信頼区間:1.5-2.4)の数が多く、SECCのリスクが2.4倍になった(risk ratio:2.4; 95%信頼区間:1.7-3.3)

■ 13~23ヵ月間の母乳栄養は、う歯に影響しなかった。

 

結局、何がわかった?

 ✅2歳以降まで母乳で育てると、虫歯のリスクが1.9倍、重篤な虫歯のリスクが2.4倍になった。

 

 

あまり長期の母乳栄養は虫歯のリスクがある。

■ 長期間にわたる母乳栄養は、う歯のリスクをあげるとまとめられます。

■ 母乳栄養が小児の健康に有益であることもあり、う歯への予防的介入は可能な限り早期に行われるべきと述べられていましたが、まあ、あまり長期に母乳を与えるものでもないと言えそうです。

■ 日本小児歯科学会のサイトでも、母乳で虫歯のリスクが上がると言及されていました。

小児科と小児歯科の保健検討委員会

■ なお、dmfsに関しては、下記のサイトを参照しました。

DMF指数

 

 

今日のまとめ!

 ✅母乳栄養が2年以上になると、虫歯のリスクがあがる。

 

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