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Xu S, et al. Cost-effectiveness of Prophylactic Moisturization for Atopic Dermatitis. JAMA Pediatr 2017; 171:e163909.

 保湿剤によるアトピー性皮膚炎発症予防。コストは?

■ アトピー性皮膚炎の発症予防のために、新生児期から保湿剤を塗布することは、大きく普及してこようとしています(自分自身の報告で恐縮ですが)。

新生児期からの保湿剤定期塗布はアトピー性皮膚炎を予防する: ランダム化比較試験

■ しかし、「毎日保湿剤を塗る」のは、費用もかかります。そのコストを検討した研究結果をご紹介いたします。

 

7種類の保湿剤の予防効果を費用対効果で検討。

重要性

■ 新生児および乳児(すなわち、出生後6ヶ月まで)における保湿剤の使用は、アトピー性皮膚炎の発症を予防する上で潜在的に有用であることを示唆する、新たな証拠が示されている。

 

目的

■ ハイリスク新生児のアトピー性皮膚炎予防としての毎日の保湿剤使用の費用対効果を調べる。

 

デザイン、セッティング、参加者

■ 費用対効果分析において、出生から生後6ヶ月まで、7種類の一般的な保湿剤を使用し全身の保湿剤使用の平均コストを、男児・女児について算出した。

■ 我々は、所定の体表面積に対し使用された保湿剤あたり同じ重量であると仮定した。
過去に報告されたデータ(相対リスク50%減)に基づき、 quality-adjusted life-years(QALY)における増加した利益が、6ヶ月間の期間で決定された。

■ 各保湿剤の費用対効果は、同等の有効性と仮定されて決定された。相対危険度を0.28から0.90まで変化させ、感度分析を行った。

 

介入

■ 予防的な保湿剤使用。

 

 

主なアウトカムと措置

■ 主要評価項目は、6ヵ月間のアトピー性皮膚炎を予防する保湿剤ごとの増加した費用対効果($/QALY)だった。

 

結果

■ 出生時に必要とされる毎日の全身保湿剤の予測された量は、1回あたり3.6g(0.12オンス)であり、6ヶ月で6.6g(0.22オンス)に増加した。

■ 評価された7製品の平均価格は1.07$ /オンス(範囲 0.13$ / oz- 2.96$ /オンス)だった。
6ヶ月間の、QALYの平均増加は0.021だった。

■ 感度分析は、QALYの増加した利益は、0.0041から0.030の範囲と示唆した。

ワセリンは最も費用対効果の高い保湿剤だった(353$ / QALY [95%CI 244$ - 1769$ / QALY])

最も高価な保湿剤において増加したQALYが最も低いと仮定しても、介入は依然として45 000$ / QALY未満だった

 

結論と妥当性

■ 全体として、アトピー性皮膚炎は大きな医療費を示し、複数の併存疾患に関連している。

毎日の保湿剤使用は、アトピー性皮膚炎の負担を軽減するための費用対効果の高い、予防的な戦略であるかもしれない

 

結局、何がわかった?

 ✅毎日の保湿剤塗布によるアトピー性皮膚炎予防研究は、費用対効果に優れていた。

 

 

 コスト分析はまだ必要でしょう。

■ この検討は、7種の保湿剤をすべて同様の効果と仮定していることに無理があるのではと思うのですが、コストベネフィットは良いといえるでしょう。

■ QALYとは、「質調整生存年」と訳され、1QALYは、完全に健康な1年間に相当します。

質調整生存年

■ 353$/QALYは、1年間完全にアトピー性皮膚炎のないコストが4万円弱かかるといえます。ただしこれは、医療費が高い米国での検討になりますので、本邦でどれくらいになるのかはまだわかりません。

 

 

 

今日のまとめ!

 ✅保湿剤によるアトピー性皮膚炎発症予防の費用の検討は、まだこれから。

 

アトピー性皮膚炎の総論に戻ろうかと思いましたが、少しお休みして、しばらく普通の論文紹介をしようと思いっています。この総論に関しては週1ペースくらいで完結まで進めたいと思います。

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