乳幼児期に急に太ったり痩せたりすると、喘息を発症しやすくなる

Chastang J, et al. Changes in body mass index during childhood and risk of various asthma phenotypes: a retrospective analysis. Pediatric Allergy and Immunology 2017; 28:273-9.

 肥満とアレルギー。

■ 肥満とアレルギーに関しての関連に関し、報告が多く見られるようになりました。

■ 例えば、以前、妊娠中の肥満と喘息のリスクに関してご紹介いたしました。

妊娠初期の肥満は、喘息発作のリスクになる

■ 今回は、小児に関する報告で、急な体重増加が喘息発症に関連するかもしれないという結果をご紹介いたします。

 

 

 7781人の出生時と10歳時の体重を評価し、体重増加と喘息発症リスクの関連を調査した。

背景

■ 喘息は肥満に関連するが、出生体重が少ないことにも関係することが知られている。

■ 本研究の目的は、体格指数(body mass index; BMI)によって評価される出生時と小児期の肥満の変化と喘息フェノタイプの関係を評価することによって、この問題を明らかにすることだった。

 

方法

■ 肥満状態は、出生時、約10歳(9-11歳)のBMIの四分位値を使用し、7781人の児童で評価された。

■ 出生時と10歳時に痩せ、出生時に痩せで10歳時に肥満、出生時に肥満で10歳時に痩せ、そして、大きく変化しなかった他のすべての児を基準群とした。

■ 喘息フェノタイプ(アレルギー性、非アレルギー性、および運動誘発性喘息)の判定は、皮膚プリックテスト、運動負荷テスト、アンケートを含む臨床検査に基づいた。

 

結果

アレルギー性喘息のリスクは、低体重で持続する児、持続的に肥満の児、著しく肥満になった児で高かった

■ 男児では、アレルギー性喘息のリスクは、持続的に肥満の児、および著しく肥満になるほど、有意に高かった

■ 女児では、アレルギー性喘息のリスクは、持続性の肥満において有意に高くなった

■ BMIの変化と非アレルギー性および運動誘発性喘息には有意な関連はなかった。

 

結論

■ 小児期のBMIの極端な変化、持続性の痩せ、持続性の肥満が、アレルギー性喘息のリスクを増すと示された。

 

結局、何がわかった?

 ✅小児期の体重のが極端な変化したり、痩せが続いたり、肥満が続いたりすると、気管支喘息のリスクが高くなる。

 

 

 体重が大きく変化したり、肥満だったり痩せが続くと、喘息発症リスクが高くなる。

■ 肥満とアレルギーの関連は、1990年代に多くの横断研究で指摘されてきました。そして、前向き研究のメタアナリシスで喘息リスクとの関連が報告されました(American journal of respiratory and critical care medicine 2007; 175:661-6.)。

■ 現在では、その関連に関しては確定的と言えるようになってきていますが、本研究は「体重の変動」も影響するのではないかという結果となります。

 

 

今日のまとめ!

 ✅体重の大きな変化、肥満・やせの持続は喘息発症リスクになるかもしれない。

 

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