妊娠初期の肥満は、喘息発作のリスクになる

 

Ali Z, et al. Excessive gestational weight gain in first trimester is a risk factor for exacerbation of asthma during pregnancy: A prospective study of 1283 pregnancies. J Allergy Clin Immunol 2017.[Epub ahead of print]

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■ 肥満が、多くの面で健康を害することがあることは、皆さんご存知の通りです。

■ 例えば、このブログでも両親の肥満が子どもの発達を阻害するかもしれないことをご紹介いたしました。

■ 今回は、母の妊娠中の過体重が、喘息発作のリスクを上げ、特に妊娠初期の体重増加の影響が大きいという報告を御紹介いたします。

PECO
P: 2007年以降にデンマークのHvidovre病院で出産し、 prospective Management of Asthma during Pregnancy (MAP) programに参加した妊婦計1283妊娠(1208妊婦)
E: –
C: –
O: 妊娠中の体重増加は、喘息増悪に関連するか

 

結局、何を知りたい?

 ✅妊娠期間中の過体重は喘息発作の原因になるかということを知ろうとしている。

 

結果

■ 参加基準は、(1)喘息と診断されている、(2)少なくとも喘息発作時の気管支拡張薬の処方があること、(3)妊娠初期の18週以内に、呼吸器外来初診歴があるの3点だった。

■ 喘息の増悪は計468回であり、軽症273回(58%)、重症195回(42%)、1回以上の増悪は、33妊娠(3%)で観察された。

■ 妊娠前平均BMIは、24.2±4.5、第一トリメスターの妊娠期体重増加 (gestational weight gain (GWG)  5.1±3.4kg、全期間GWG 12.5±5.8kgだった。

■ 喘息が増悪した妊婦は、増悪のない妊婦と比較して、妊娠の第一トリメスターでのGWG (P < .001)、全期間GWGが認められた(P < .001)。

第一トリメスターでのGWG 5kg以上と全期間GWG 13kg以上の増加は、両方とも喘息増悪のリスクを増加させた(OR 9.35, 95%CI 6.39-13.68; OR 2.89, 95%CI 2.18-3.83; それぞれ P < .001)

■ さらに、そのリスクは5kgを超えた体重増加で用量依存的に増加した。

■ また、出産後3ヵ月以内の分娩後50%未満体重減少は、より大きな減量と比較して、分娩後の喘息増悪のリスク増加と関連した(8%[n=11]vs 3%[n = 24]; OR 3.18; 95%CI(1.51-6.64); P =.003)。

結局、何がわかった?

 ✅妊娠期間中の過体重は喘息のリスク因子であり、特に第一トリメスターでの体重増加が最も強いリスクとなった。

 

コメント

第一トリメスターの体重増加は、妊娠中の喘息増悪の危険因子になり、そのリスクは体重増加に伴い用量依存的に増加するとまとめられます。

■ 肥満喘息患者の体重減少が、肺機能と喘息症状の改善関連するという先行研究があるそうです( J Asthma Allergy 2012;5:21-6.)。

■ 妊娠中の喘息患者さんに対して、特に妊娠初期に関しては、急な体重増加をしないように努めていただいたほうがよさそうですね。

 

 

今日のまとめ!

 ✅妊娠初期の過体重は、喘息発作のリスクとなる。