慢性咳嗽に抗生剤?遷延性細菌性気管支炎 (PBB: protracted bacterial bronchitis)

Chang AB, et al. Protracted bacterial bronchitis: The last decade and the road ahead. Pediatr Pulmonol 2016; 51:225-42.

小児の長引く咳の原因としてのPBB。

■ 遷延性細菌性気管支炎 (PBB)は、2006年にMarchantらが発表した概念です。

■ 慢性咳嗽の原因の一つとして小児の咳嗽診療ガイドラインにも載っていますが、まだ疾患概念が固定されているとは言えないようです。

 

 

■ 最近、RCTも行われていおり(Marchant J, Thorax 2012; 67:689-93.)、今後、注目されてきそうです。

■ 今回はPBBの総論を見つけて、abstractを確認しましたのでご紹介いたします。

 

遷延性細菌性気管支炎 (PBB)のレビュー。

■ プライマリケア医師の診療における最も一般的な主訴の1つは咳であり、慢性の場合は専門医紹介の頻度が高いことが多い。

小児では、慢性咳嗽(> 4週間)は病的でありQOLの低下と関連している。

■ 特に6歳未満の小児において、小児期の慢性咳嗽の一般的な原因のひとつが、遷延性細菌性気管支炎(protracted bacterial bronchitis;PBB)である。PBBは、他の原因の徴候なく、慢性の湿性または喀痰を伴う咳を特徴とし、アモキシシリン – クラブラン酸塩などの適切な抗生物質を2週間投与に反応性である。

■ PBBの子供のほとんどは喀痰を喀出することができない。

■ 気管支鏡検査および気管支肺胞洗浄が実施されれば、気管支炎と化膿性気管支内分泌物の所見が認められる。

■ 気管支肺胞洗浄検体で、一般に著しい好中球浸潤と細菌病原体(特にインフルエンザ菌)がかなりの数、認められる。

■ 予後良好であると考えられているが、再発は一般的であり、再発が頻発して4週間までの抗生物質治療に反応しない場合は、気管支拡張症などの慢性湿性咳嗽の原因を調べる必要がある。

気道軟化症およびPBBの病原性メカニズムは依然として不明であり、肺胞貪食作用の低下以外には、全身性免疫不全または局所免疫不全のエビデンスは不足している。

■ そのかわり、肺防御は活性化された自然免疫およびインターロイキン-1βシグナル伝達経路の遺伝子発現を増加させる。

■ 局所的な炎症応答におけるこれらの変化が、原因であるか効果であるかは未だわかっていない。

PBBと気管支拡張症は、同じ疾患スペクトルの反対側に位置する可能性が高いため、慢性的な湿性咳嗽を患っている小児は、密に監視する必要がある。

 

表1. 遷延性細菌性気管支炎の診断基準
1.オリジナルの微生物ベースによる定義(PBB-micro)
i. 慢性湿性咳嗽の存在(>4週間)
ii. 下気道感染(喀痰もしくはBALで発育した呼吸器病原性細菌 単一菌種≥10コロニー形成単位/ ml)
iii. 咳は、適切な経口抗生物質(通常はアモキシシリン – クラブラン酸塩)の2週間で改善する
2.修正された臨床ベースの定義(PBB-clinical))
i. 慢性湿潤咳の存在(>4週間)
ii. 慢性の湿性または喀痰を伴う咳における他の原因がない
iii. 適切な経口抗生物質(通常はアモキシシリン – クラブラン酸塩)の2週間で改善する
3. 拡張PBB= PBB-clinicalまたはPBB-microであるが、4週間の抗生物質投与以降で改善
4.再発性PBB = PBBの再発性エピソード(> 3年以上)

結局、何がわかった?

 ✅PBBは、他の原因の徴候なく、慢性の湿性または喀痰を伴う咳を特徴とし、アモキシシリン – クラブラン酸塩などの適切な抗生物質を2週間投与が効果がある。

 ✅PBBは、小児の慢性咳嗽の原因として注目されている。

 

 

小児の長引く咳に関して、PBBの知識が必要。

■ 抗生剤は風邪にはほぼ効果がないことは皆さん十分承知されていると思います。

■ しかし、成人の慢性咳嗽にジスロマックが効果があるかもしれないという報告もあります。

■ 抗生剤の濫用には十分注意が必要ですが、こういった例もあるということもまた、知っておきべきと思います。

 

 

今日のまとめ!

 ✅遷延性細菌性気管支炎(PBB)に関し、レビューで詳細に述べられた。

 

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