祖母の喫煙は、孫の世代の喘息発症リスクにまで影響するかもしれない

2017年10月28日

Lodge C, et al. Grandmaternal smoking increases asthma risk in grandchildren: a nationwide Swedish cohort. Clinical & Experimental Allergy 2017. [Epub ahead of print]

 母の喫煙と子どもの喘息発症に関連はありますが、祖父母の喫煙は孫の喘息発症に関連するでしょうか?

■ 受動喫煙が子どもの喘息に悪影響があることは言うまでもないでしょう。

■ 妊娠中の母の喫煙も、子どもの喘息発症リスクをあげることになることも明らかなわけですが、では、祖父母の喫煙はどうでしょうか?孫まで影響するのでしょうか?

 

 

 祖母 404583人から生まれた母親46197人、さらにその母から生まれた孫6627人を検討し、祖母の喫煙と孫の6歳時点での喘息薬使用状況を確認した。

背景

■ 受胎前の曝露が、子孫の喘息における危険因子になる可能性があるかどかに関心が高まっている。

■ ヒトにおける研究からの限定されたエビデンスがあり、部分的に支持されているが、現在のエビデンスは一貫性がなく、曝露状況を想起することによって導き出されていた。

 

目的

■ 前向きに収集した母集団ベースのデータを用いて、妊娠中の祖父母の喫煙と、その孫の喘息リスクを調査することを意図した。

 

方法

■ 妊娠中の祖父母および母親の喫煙に関する情報および、その孫の喘息薬の使用に関し、スウェーデンの全国登録簿から収集した。

■ 妊娠中(10-12週)の祖父母の喫煙とその孫の喘息薬使用との関連を、一般化された推定式を用いて調べた。

■ 喘息薬が処方された年齢によって、小児期の喘息をフェノタイプ(発症なし [never]、早期一過性 [early transient ; 0-3歳]、後期発症 [late onset: 3-6歳]、早期発症持続性 [ early persistent; 0-3および3-6歳])に分類した。

 

結果

■ 1982年から1986年にかけて、祖母 404583人から母親46197人が出生し、孫6627人(1996〜2010年出生)が出生した。

■ (母を出産するときの)妊娠中に祖母が喫煙した場合、孫が1-6歳時点での喘息リスクが上昇し、その曝露が大きいほどリスクが高くなった(1日あたり10本増えるごと; 調整OR 1.23; 1.17-1.30)

■ (祖母の喫煙が孫の喘息リスクへ影響する効果は)、母親の喫煙により変更されなかった。

論文から引用。祖父母の喫煙と孫の喘息薬使用との関連。

 

結論と臨床的意義

妊娠初期に祖母が喫煙した場合、母親の喫煙とは無関係に、6歳児の喘息の発症リスクが上昇した。

■ 重要なことは、これは用量反応関係を示し、持続性の小児喘息フェノタイプと関連していた。

■ これらの知見は、過去の世代の環境曝露によるリスクが、エピジェネティックに伝達されることを示唆する。

 

 

結局、何がわかった?

 ✅母を出産するときの祖母による妊娠中の喫煙は、1日10本喫煙が増えるごとに孫の1-6歳時点での喘息リスクを1.23倍にする。

 

 

 喫煙による喘息発症リスクは孫にまで継承されるかもしれない。

■ ここで問題となるのが、「エピジェネティックな変化」です。

■ 「エピジェネティックな変化」を簡単に説明するならば、「DNAそのものは変化していないけれど、環境要因などで修飾されて(さらに例えるならば、ある人が帽子やメガネを変えて簡単な変化をするような感じと言えばよいでしょうか)、その変化が継承される(遺伝する)と言えます。

■ すなわち、祖母の喫煙により起こった母のエピジェネティックな変化が、孫の喘息発症リスクにまで影響するといえるわけです。

■ これはかなりショッキングなデータと言えるのではないでしょうか。

 

 

 

今日のまとめ!

 ✅祖母が妊娠中に喫煙すると、孫の世代にまで喘息発症リスクを持ち越すのかもしれない。