ウイルス性喘鳴に対する気管支拡張薬には、高張食塩水を混合した方が良い?

Kanjanapradap T, et al. Does nebulized hypertonic saline shorten hospitalization in young children with acute viral wheezing? Pediatric pulmonology 2017.[Epub ahead of print]

 高張食塩水による喘鳴や細気管支炎治療。

■ 一般には気管支拡張薬の吸入は、生理食塩水に混合して実施することが多いのです。

■ 一方、例えば、細気管支炎に対し高張食塩水による吸入がより効果が高いのではないかという報告や、高張食塩水で鼻洗浄をするといった報告もあります。

■ 最初Twitterでご紹介した時に、思い込みで読み違えたのですが、この研究は、サルブタモール(気管支拡張薬)+生理食塩水 vs サルブタモール+高張食塩水によるランダム化比較試験になります。

 

 

ウイルス性急性喘鳴の患児47人を、3%高張食塩水または生理食塩水に溶解した2.5 mgサルブタモール吸入にランダム化し、入院期間や酸素需要期間を比較した。

背景

■ 先行研究では、気管支喘息児の気道クリアランスの改善と入院の短縮のために高張食塩水(hypertonic saline; HS)吸入のメリットが示されていたが、幼児のウイルス性の急性喘鳴に対するブラインド試験は限られていた。

 

目的

■ ウイルス性の急性喘鳴を認める幼児に対し、3%HS吸入の効果を確認する。

 

方法

■ この二重盲検ランダム化比較試験は、7月1日から12月31日まで急性ウイルス性喘鳴が認められた生後6ヵ月から5歳の小児で実施された。

■ 患者は3%HSまたは生理食塩水(normal saline ; NS)に溶解した2.5 mgサルブタモールの吸入を実施されるためにランダム化された。

■ 臨床データ、喘息臨床的重症度スコア、入院期間(length of hospital stay ;LOS)を記録した。

 

結果

■ 計47人(HS 群 22人/NS群 25人)が登録され、登録時の群間の統計学的データおよび、臨床スコアには有意差はなかった。

LOSの中央値と酸素療法時間の中央値は、NS群よりHS群が有意に短縮された(48時間 vs 72時間; P = 0.021および36 vs 72時間; P = 0.025)

HS群は、NS群と比較して、12 時間時点での喘息臨床的重症度スコア、呼吸数および酸素飽和度が有意に改善した。(それぞれP=0.042、0.032、0.043)。有害事象は認めなかった

 

結論

■ ウイルスによる急性喘鳴が認められた5歳未満の小児では、高張食塩水/サルブタモール吸入は、生理生理食塩水/サルブタモールよりも、入院期間、酸素投与時間を短縮し、喘息臨床重症度スコアを有意に改善した。

 

結局、何がわかった?

 ✅ウイルスによる急性喘鳴が認められた5歳未満の小児に対する、高張食塩水+サルブタモール吸入は、生理生理食塩水+サルブタモール吸入よりも、入院期間(48時間 vs 72時間; P = 0.021)や、酸素投与時間(36 vs 72時間; P = 0.025)を短縮し、12時間時点での喘息臨床重症度スコアも有意に改善した。

 

 

 高張食塩水による加療は、まだ標準的ではありません。

■ 実際に標準的な治療として使われるには、まだ検討を要すると思われますが、今後、高張食塩水に関しては実地診療に使われるようになるかもしれません。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ウイルス性喘鳴に対し、気管支拡張薬の吸入は、生理食塩水より高張食塩水に混合したほうが改善が早い可能性がある。

 

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