マクロライド系抗生剤は、肥厚性幽門狭窄症の発症リスクかもしれない

Lund M, et al. Use of macrolides in mother and child and risk of infantile hypertrophic pyloric stenosis: nationwide cohort study. BMJ 2014; 348:g1908.

マクロライド系抗生物質と肥厚性幽門狭窄症。

■ 先日、周産期での肥厚性幽門狭窄症の発症リスク因子をご紹介しました。

■ 一方、肥厚性幽門狭窄症の発症はマクロライド系抗生物質との関連が指摘されています。

 

 

デンマークにおける出生コホート研究に参加した乳児999378例において、マクロライド系抗生剤使用と肥厚性幽門狭窄症の発症の関連を調査した。

目的

■ 母親と乳児の妊娠開始から出生後120日までの乳幼児肥大幽門狭窄症(IHPS)と、マクロライド系抗生物質の使用との関連性を評価する。

 

デザイン

■ 全国登録ベースのコホート研究。

 

セッティング

■ 1996年-2011年のデンマーク。

 

参加者

■ 999378例の単生児と、マクロライド処方(妊娠中の母親の使用 30091例、出産後の母親の使用 21557例、乳児への使用 6591例)、IHPSに対する手術、潜在的な交絡因子に関する個人情報が収集された。

 

主な指標

■ マクロライド使用に対する3つのカテゴリー(妊娠中の母親、出産後の母親、出生後)と乳児期のIHPS手術。

 

結果

880人の乳児がIHPSを発症した(出生1000人当たり0.9人)

マクロライドを使用しない乳児と比較して、マクロライドを使用した乳児のIHPS発症リスクの調整rate ratioは生後0〜13日で29.8(95%CI 16.4〜54.1)であり、14〜120日のマクロライド使用で3.24(1.20~8.74)だった

■ 絶対リスク差はそれぞれ、マクロライドに曝露された乳児1000人あたり24.4(95%CI 13.0〜44.1)および0.65(0.06〜2.21)だった。

出産後の母親のマクロライド使用のrate ratioは、 0〜13日目で3.49(1.92〜6.34)、14〜120日目は0.70(0.26〜1.90)であった

■ 絶対リスク差はそれぞれ、2.15(0.82〜4.64)および-0.11(-0.26〜0.31)だった。

妊娠中の母親のマクロライド使用のrate ratioはは、0〜27週で1.02(0.65〜1.59)、28週~出産までで1.77(0.95〜3.31)だった

■ 絶対リスク差はそれぞれ、0.01(-0.31-0.50)および0.67(-0.06-2.02)であった。

 

結論

■ マクロライド系抗生物質による乳幼児の治療はIHPS発症と強く関連しており、治療効果がリスクを上回る場合にのみ投与すべきである。

出生後2週間の母親のマクロライド使用はまた、IHPSのリスク増加と関連しており、関連性は、妊娠後期の使用でも見出された。

 

 

結局、何がわかった?

 ✅乳児期IHPS発症リスクは、0〜13日のマクロライドの使用で29.8倍、14〜120日のマクロライド使用で3.24倍と見積もられた。

 ✅ 妊娠中に母親がマクロライド使用のすると、妊娠28週以降での使用で1.77倍になった。 

 

マクロライド系抗生物質は、肥厚性幽門狭窄症の発症リスクに成る。

■ マクロライド系抗生物質を出生後2週間以内もしくは妊娠後期に使用すると、肥厚性幽門狭窄症の発症リスクを上げる、とまとめられます。

■ 出生2週間でマクロライド系抗生物質を使用することは少なそうですが、例えば百日咳の疑いなどでは使用する可能性があるかもしれません。

 

 

今日のまとめ!

 ✅マクロライド系抗生物質は肥厚性幽門狭窄症の発症リスクになり、発症早期に使用するとリスクが高い。

 

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