乳アレルギーが持続するリスク因子は何か?



Koike Y, et al. Predictors of Persistent Milk Allergy in Children: A Retrospective Cohort Study. International archives of allergy and immunology 2018. [Epub ahead of print]

牛乳アレルギーは寛解傾向はあるものの、持ち越すと治療は難しい場合があります。

■ 確かに、乳アレルギーは自然に改善することが多いとはされていますが、一方で年齢を長じるまで持続すると寛解は望みにくくなります。

■ すでに、乳特異的IgE抗体価が高い場合は自然に改善することが少ないことが報告されています。

■ 今回は相模原病院からの報告で、乳アレルギーが寛解にしくい因子を検討した報告をご紹介いたします。

 

2005年に出生した小児で、6歳までに牛乳アレルギーの病歴のある131人に関し、牛乳アレルギーが6歳以降まで持続する因子を調査した。

背景

牛乳(CM)アレルギーは、日本で乳児期に発症した食物アレルギーの中で2番目に多いものである。

■ 持続性牛乳アレルギーの予測因子を同定するために、即時型牛乳アレルギーと診断された6歳未満の小児における経口食物負荷試験に基づく耐性獲得率を調査した。

 

方法

■ この後ろ向きコホート研究には、牛乳に対する即時アレルギー反応の病歴があり、2005年に生まれた小児131人が含まれた。

■ 39人は継続中の経口免疫療法(n = 18)または追跡データの欠損(n = 21)のために除外され、残り92人は6年間追跡された。

■ 耐性は、牛乳 200mLおよび家庭での定期的な牛乳の摂取に対し有害反応がないと定義された。

■ グループI(3歳未満で耐性; n = 31)、グループII(3-6歳で耐性; n = 42)、グループIII(持続性アレルギー群; n = 19)の3群にわけられた 。

 

結果

3歳、5歳、6歳の耐性獲得率はそれぞれ、32.6%(30/92)、64.1%(59/92)、84.8%(70/92)だった。

■ 最初の病院受診時の年齢は、グループIIおよびグループIIIは、グループIよりも有意に高かった(p <0.001)。

グループIIIは、グループIよりも他の食物へのアナフィラキシーの発症率(p = 0.04)が高く、牛乳依存性アナフィラキシー(p = 0.03)も同様だった。

■ さらに、牛乳およびカゼイン特異的IgE抗体価は、グループIIIではII群よりも出生時に有意に高く、その後も高値を維持していた(p <0.05)

 

結論

アナフィラキシーの病歴および乳特異的IgE抗体価高値は、持続性牛乳アレルギーと関連していた。

 

結局、何がわかった?

 ✅ 6歳以降まで乳アレルギーが持続した群は、他の食物へのアナフィラキシーの発症率が高く、牛乳によるアナフィラキシー率も高かった。

 ✅ 6歳以降まで乳アレルギーが持続した群は、牛乳およびカゼイン特異的IgE抗体価が出生時からその後も高値を維持していた。

 

 

牛乳アレルギーで、特異的IgE抗体価高値、アナフィラキシー歴があると寛解しにくい。

■ 以前ご紹介したとおり、乳だけでなく、卵も他の食品も、特異的IgE抗体価が高いと寛解しにくいことが示されています。

■ 乳アレルギーだから寛解しやすいと考えずに、特に特異的IgE抗体価高値、アナフィラキシー歴がある場合は、慎重に治療介入したほうがいいのかもしれません。

 

 

今日のまとめ!

 ✅牛乳アレルギーでも、特異的IgE抗体価高値、アナフィラキシー歴がある場合は寛解しにくいと考えたほうが良いかもしれない。