卵、乳、大豆、小麦の長期予後のまとめ。

■ 小児のIgE依存性食物アレルギー(例えば乳と卵アレルギー)は、他の食物アレルギー(例えばピーナッツおよびナッツアレルギー)より、より寛解すると考えられている。

■ しかし、残念ながら最近の研究は、過去の数十年の研究の印象と比較すると、寛解が遅くなる可能性があることを示唆している。

■ 臨床医は、アレルギーの疫学についての知識を得ることで、患者の寛解への転帰を予想する必要があり、個々の患者の食物アレルギーの自然経過を評価し、予測する能力は必須である。

■ そして、最近の研究は、乳児期の予後の指標を特定してきている。

 

 

図は論文より引用。

A 乳  B 鶏卵  C 大豆  D 小麦

 

乳特異的IgE抗体価>50kUA/Lの児は18歳までに60%しか寛解しない

■ ピーク時の特異的IgE抗体価は耐性獲得に逆相関する。

■ 十分に加熱した乳は、生牛乳に対する耐性を高め、予後を改善することを示唆する。

 

鶏卵

特異的IgE抗体価>50kUA/Lの児は18歳までの寛解の可能性が低いことが示唆され、ピーク時の特異的IgE抗体価は耐性獲得に逆相関する。

■ 十分に加熱した卵は、生卵に対する耐性を高める可能性がある。

 

ピーナッツ

■ 1歳でピーナッツ特異的IgE抗体価>5kUA/Lは、4歳で寛解しない可能性が高いことを示唆する。

■ また、ピーナッツ特異的IgE抗体価>3kUA/Lは、8歳前に寛解しそうにないことを示唆する。

 

小麦

■ 小麦特異的IgE抗体価高値は、寛解を阻害しない。

■ しかし、ピーク時の小麦特異的IgE抗体価>50kUA/Lは、耐性獲得がより遅い

 

大豆

ピーク時の大豆特異的IgE抗体価>50kUA/Lは、6歳までの寛解が低い可能性を示唆する。

 

ナッツ

■ 2種類以上のナッツアレルギーは、予後不良を示唆する。

■ 鶏卵、卵に関して、診断時の特異的IgE抗体価と寛解の予測のための計算はhttp://cofargroup.org/を参照できる。

 

特異的IgE抗体価が高い場合は、自然には改善しにくいかもしれない。

■ 上の図の横軸は月齢ではなく年齢です。思った以上に寛解は少ないと思われるでしょう。

■ よく言われている「3歳までに寛解」は、あくまでピーク時の特異的IgE抗体価が低値の児に限られるといえるかもしれません

■ 実際、本邦でも、乳特異的IgE抗体価が高いと乳アレルギーは寛解しにくいことが報告されました。

■ もちろん、食物経口負荷試験や、経口免疫療法が予後を大きく変える可能性はあります。しかし、特異的IgE抗体価が高い場合は、免疫療法のリスクも高いことも報告されています。

 

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事