Kotecha S, et al. Bronchial hyper-responsiveness in preterm-born subjects: A systematic review and meta-analysis. Pediatr Allergy Immunol 2018. [Epub ahead of print]
早産のお子さんには喘鳴が多い、では実際に喘息も多い?
たまに使ってみようかなと。
まあ、そういうなよ、、。
ところで、早産でうまれたお子さんが、呼吸器症状が多いことは知ってるかな?
そこで、このテーマでのメタアナリシスがありましたのでご紹介いたします。
早産児の気管支過敏性を評価した18報告に関し、メタアナリシスを実施した。
背景
■ 早産児は呼吸器症状が多く、肺機能も低下しているが、気管支過敏性(bronchial hyper‐responsiveness; BHR)の性質は不明である。
■ 早産児期の慢性肺疾患(chronic lung disease in infancy;CLD)の有無に関わらず、早産後生存児のBHRのシステマティックレビューとメタアナリシスを実施した。
方法
■ 2016年12月までの8つのデータベースを検索し、早産児および正期産児のBHRを比較した報告が含まれた。
■ 吸入誘発試験後の1秒間強制呼気容量(FEV1)の減少としてBHRを報告した研究も含まれていた。
■ 分析には、Review Manager V5.3が使用された。
結果
■ 10,638タイトルから全265報告がスクリーニングされ、28件が分析に含まれ、そのうちBHRを評価された被験者率を報告した18報告がメタアナリシスに含まれた。
■ 早産児と正期産児の生存群を比較したBHRのオッズ比(OR)(95%信頼区間)は1.88(1.32~2.66)だった。
■ 多くの検討では、メサコリン投与または運動試験後に対するBHRが評価されていた。
■ メサコリン投与後のオッズ比は1.89(1.12~3.19)、運動後のオッズ比は2.59(1.50~4.50)だった。
■ 慢性肺疾患(CLD)患者のBHRを報告した15報告のうち9件がメタアナリシスに含まれた。
■ 正期産児に比較してCLD群でBHRの差が大きく、メサコリン負荷(OR 4.35; 2.36~8.03)および運動負荷(OR 5.13; 1.82~14.47)だった。
結論
■ 早産児、特にCLDに罹患した患者は、正規産児に比較して、直接(メサコリン)もしくは間接(運動)刺激に対しBHRの増加率が高く、抗炎症薬や気管支拡張薬療法の恩恵を受ける可能性があるサブグループであることを示唆した。
結局、何がわかった?
✅早産児は、正期産児に比較して、気道過敏性(BHR)がオッズ比 1.88倍(95%CI 1.32~2.66)だった。
✅慢性肺疾患があると、正期産児よりBHRは高くなり、メサコリン負荷(OR 4.35; 2.36~8.03)および運動負荷(OR 5.13; 1.82~14.47)だった。
早産児は、気道過敏性(気管支喘息の指標)が高くなる。
■ メサコリン負荷というのは、吸入すると発作を起こす薬品を濃度が薄いものから徐々に濃度を濃くしていって発作が起こるかどうかみる負荷試験です。喘息があり重症であるほど、濃度が薄くとも発作が起こります。
■ 早産児は、気道過敏性が高くなるリスクが高いと言えそうです。
■ 一方で、アトピー性皮膚炎に関して、むしろ発症リスクが低くなるという報告があり、このあたりの関連性はまだ良くわかっていないようです。
今日のまとめ!
✅早産児は、気道過敏性(気管支喘息の指標)が高くなるリスクが高いようだ。