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Heickman LKW, et al. Evaluation of Hypothalamic-Pituitary-Adrenal Axis Suppression following Cutaneous Use of Topical Corticosteroids in Children: A Meta-Analysis. Hormone research in paediatrics 2018:1-8.

ステロイド外用薬は、副腎抑制をきたすか?

うさみん
ほむほむ、、また外来で「ステロイドぎらい」の患者さんに説明大変そうだったねえ。

ほむほむ
んん??名前がかわった??うさみん??

ほむほむ
確かにまだまだ、ステロイド外用薬に関しては誤解もあり、説明が難しい場合もあるね。でも一方で、ステロイド外用薬を気軽に出し過ぎてはいけないと思うんだ。
「ステロイドぎらい」は、もしかすると医療不信の結果かもしれないという報告もあるからね、、

うさみん
多くの医療機関を受診している患者さんがステロイドぎらいになっているというのは、確かにそうかもしれないですね、、
じゃあ、ステロイド外用薬は本当に、「副腎抑制」はおこさないの?

ほむほむ
患者さんに混乱がみられやすいのが、「内服」「点滴」で使うステロイドと、外用薬・吸入薬・点鼻で使うステロイドを一緒に考えてしまいがちということだね。確かに内服や点滴でつかうステロイドは、副腎抑制は凄く多いんだ(Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 2015; 100:2171-80.)。
ただ、吸入薬でも量が多くなれば、「可逆性の(元に戻りうる)副腎抑制」のリスクはあがるし、外用薬だって、強力なステロイド薬を毎日塗り続けていれば、全身的な副作用は起こりうる。吸入ステロイド薬は、わずかながら身長抑制の可能性もある。もちろん、だからといって喘息発作が沢山あるお子さんに吸入ステロイド薬を使わないという選択はお子さんの生活を大きく損なうのは明らかだね。

うさみん
外用薬だからといって、全身的な副作用は絶対起きないとは言えないんですね。

ほむほむ
一方で、重症度の高いアトピー性皮膚炎が長引けば、ステロイド外用の使用の有無に関わらず副腎機能が低下するという報告もあるし(Pediatr Dermatol 2013; 30:17-22.)、そもそも、アトピー性皮膚炎がひどくなると皮膚のバリアが低くなるからステロイド外用の吸収率があがって副作用がでやすくなるという側面もあるしね(British Journal of Dermatology 2017; 177:84-106.)。

あかちゃん
あのさあ、ほむほむは前置きが長すぎるんだよ!!
じゃあ、ステロイドを塗っていたら、どれくらい”ふくじん”の機能が下がるかをバシッと教えなよ!!

ほむほむ
わかったわかった。
では、最近発表されたステロイド外用薬と副腎機能をみたメタアナリシスを紹介しよう。
あくまで「可逆的な」副腎抑制の「可能性」のメタアナリシスだから、この確率ですべて重篤な症状がでるとか、すごい心配とか、拡大解釈しないように頼むね。

ステロイド外用薬使用と副腎抑制を検討した報告12本522人に関し、ステロイド外用薬の強さと副腎抑制の頻度を調査した。

背景と目的

■ 小児患者に対するステロイド外用薬(topical corticosteroids;TCS)を用いたアトピー性皮膚炎に対する短期の皮膚治療後の視床下部 - 下垂体 - 副腎(hypothalamic-pituitary-adrenal ;HPA)抑制の可能性を確認するためにメタアナリシスを行った。

 

方法

■ コシンテトロピン刺激試験による治療前と治療後のHPA評価を用いてTCSの使用を評価した、公表された全て小児に対する臨床試験が含まれた。

 

結果

■ 適格試験128件のうち12件がメタアナリシスに選択され、計522人がリクルートされた。

HPA抑制は、20症例(3.8%; 95%CI 2.4~5.8)で観察された。

低ランク(6〜7ランク)、中ランク(3〜5ランク)、高ランク(1〜2ランク)のTCS使用によるHPA抑制率は、2%(148人中3人、 95%CI 0.7~5.8)、3.1%(223人中7人; 95%CI 1.5~6.3人)、6.6%(151人中10人; 95%CI3.6~11.8)だった。

管理人注
本邦ではステロイド外用薬のつよさは5段階に分けられますが、海外では7段階にわけられることがあります。

 

結論

■ 低~中ランクのステロイド外用薬(TCS)の使用では、より強力な製剤と比較すると可逆的な副腎機能(HPA)抑制率が低い。

■ 小児に対する臨床診療において、低〜中ランクのTCSを限定的に使用した場合は、臨床的に重大な副腎不全や副腎クリーゼと関連することはめったにない

副腎機能不全の徴候や症状がない場合は、小児患者に対する副腎機能(HPA)を検査する必要はほとんどない

 

結局、何がわかった?

 ✅ 小児アトピー性皮膚炎に関し、ステロイド外用薬の強さが低ランク(6〜7ランク)、中ランク(3〜5ランク)、高ランク(1〜2ランク)である場合に、副腎抑制はそれぞれ、2%(148人中3人; 95%CI 0.7~5.8)、3.1%(223人中7人; 95%CI 1.5~6.3人)、6.6%(151人中10人;  95%CI3.6~11.8)と推定される。

 ✅低〜中ランクのステロイド外用薬を限定的に使用した場合は、臨床的に重大な副腎不全や副腎クリーゼはめったに起こさない。

 

 

ステロイド外用薬のランクが強いほど副腎抑制が起こりうるが、基本的に可逆性であることと、アトピー性皮膚炎が重篤であるほどステロイド外用の有無にかかわらず副腎抑制が起こりうる。

■ この話をすると、「わずかでも副腎抑制が来る可能性があるならステロイドは使いたくない」という考えの方もでてくるかもしれません。しかし一方で、アトピー性皮膚炎が重篤であるほど、ステロイド外用薬の使用の有無にかかわらず副腎抑制がおこってくることも報告されています。

■ さらに、アトピー性皮膚炎が悪化するほど、他のアレルギー疾患の発症リスクをあげることも報告されています。

■ ステロイド外用薬を無制限に使用することは厳に慎みながら早期に治療して、スキンケアや環境要因を減らすことと共にステロイド外用薬を減量する方針ですすめていくのが、結局最もリスクが低くメリットが高いように思います。

 

 

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今日のまとめ!

 ✅小児アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用薬も、「可逆性の」副腎抑制を来しうる。

 ✅その頻度はステロイド外用薬のランクが高いほど起こしやすい。

 ✅低〜中ランクのステロイド外用薬を限定的に使用した場合は、臨床的に重大な副腎不全や副腎クリーゼはめったに起こさない。

 

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