小児における喘息発作のリスクはなにか?
重要なテーマかもしれないけど、なんか最近、喘息が多くない?
年末に喘息の講演をしなくちゃならない、管理人の都合らしいよ、、、
さて、重症喘息の起こるリスクに関する報告はこれまでもかなり紹介してきたよね?
喘息の予後を予測する因子は、普段の治療でも有用だよね。
今回は、そのテーマのThoraxからのシステマティックレビューを紹介しよう。
Buelo A, et al. At-risk children with asthma (ARC): a systematic review. Thorax 2018; 73(9): 813-24.
5~12歳の喘息発作のリスクを評価した68報告のシステマティックレビューを実施した。
イントロダクション
■ 喘息発作は頻繁に起こり致死的となる可能性がある。
■ 治療優先順位付けを行うために、小児(5〜12歳)の喘息発作のリスク要因を特定し、重要性を追加することを目的とした。
方法
■ 6つのデータベース(2016年5月に実施し、2017年1月に引用文献を更新)を、言語/日付の制限なくシステマティックに検索した。
■ 2名のレビュアーが独立して研究対象を選択し、研究の質を評価し、データを抽出した。
■ 研究の不均一性はメタアナリシスを妨げた。
■ リスクの程度とアセスメントの信頼性(研究の質およびサイズ、効果の大きさ、生物学的妥当性、結果の一貫性に基づいて)を個別に評価したExpert Panelにより重み付けが行われ、さらに議論によってコンセンサスを達成した。
■ 最終的にアセスメントが提示され、議論されたうえで、多くの専門家によるワークショップで合意された。
結果
■ 16109の記録から、68論文(コホート28報告、症例対照4研究、横断研究36研究)が選択された。
■ 過去の喘息発作は、発作リスクを大幅に増加させた(OR 2.0〜4.1)。
■ 持続している症状(OR 1.4~7.8)や、治療へのアクセス不良(OR1.2~2.3)は、中程度/大幅に増加したリスクと関連した。
■ 中等度に増加したリスクは、適切な治療に及ばない(次善の)薬物療法、アトピー性/アレルギー性疾患の合併、アフリカ系アメリカ人(米国)、貧困、ビタミンD欠乏に関連していた。
■ 受動喫煙曝露、若年、肥満、低学歴は、リスクがわずかに増加した。
考察
■ このレビューで特定された臨床的/人口統計学的特徴のアセスメントは、臨床医がハイリスクの児にリスクを低減させる管理を集中させるのに役立つかもしれない。
■ 集団レベルの要因は、保健医療計画者と政策立案者が医療計画を目標とするために使用することができる。
結局、何がわかった?
✅小児(5〜12歳)の喘息発作のリスク要因として、①過去の喘息発作(OR 2.0〜4.1)、②持続している症状(OR 1.4~7.8)、③治療へのアクセス不良(OR 1.2~2.3)が挙げられた。
喘息コントロールにより喘息発作を減らすことが、次の喘息発作リスクを小さくすることにつながる。
■ 喘息の悪化に関連するリスク因子で最も大きいのは、「喘息発作そのもの」であるという結果であり、喘息コントロールを十分していくことが重要と言えましょう。
今日のまとめ!
✅「喘息発作そのもの」が、次の喘息発作のリスクと言えそうだ。