難治性喘息のタイプを分類できるか?

Newby C, et al. Statistical cluster analysis of the British Thoracic Society Severe refractory Asthma Registry: clinical outcomes and phenotype stability. PLoS One 2014; 9.

アレルギー疾患をフェノタイプ分類する。

今週からしばらくは、故あって喘息がメインです。

■ 難治性喘息はさらにクローズアップされてきており、患者さんのQOLはもちろん、コストの面でも大きな問題です。

■ そして、アレルギー疾患をフェノタイプ分類することは、Precision Medicine(精密医学)のために重要となります。

■ 今回は、難治性喘息のフェノタイプ分類の研究結果と、さらに別のコホート研究で確認するという報告です。

 

 英国胸部学会における、重症難治性喘息登録簿から集められた難治性喘息患者349人に関して3年間の追跡調査を行い、クラスター解析を実施した。

背景

■ 重症難治性喘息は不均一な疾患である。我々は、英国の胸部学会の重症難治性喘息登録簿から統計的クラスター解析を実施し、クラスターによる特異的な臨床転帰および不変性を調査した。

 

方法

■ 因子分析および統計的クラスタモデリングを使用し、クラスター数およびその資格者(N = 349)を決定した。

■ クラスター固有のアウトカムは、中央値3年間のフォローアップ後に評価された。

■ クラスターの安定性を決定するためにプログラムされた新しい独立したコホートで、クラスターの有効性が確認された(n = 245)。

 

結果

5つのクラスターが同定された。

クラスター1(34%)は早期発症型のアトピー性だった。
クラスター2(21%)は後期発症型で肥満があった。
クラスター3(15%)は最も軽症だった。
クラスター4(15%)は晩期発症型で好酸性だった。
クラスター5(15%)は有意な一定の気道閉塞を認めた。

論文から引用。クラスター分類された5つのクラスター。

■ フォローアップでは、経口ステロイドで治療された被験者の割合は、すべての群で増加し、BMIが増加した。

■ 悪化頻度はクラスター1,2および4で有意に減少し、クラスター2およびクラスター4における末梢血好酸球数の有意な低下と関連した。

■ 独立したコホートで確認したクラスターの安定性は、全クラスターで52%でクラスター2(71%)が最も安定性があり、クラスター4(25%)が最低だった。

 

解釈

■ 統計クラスター分析により、異なったフェノタイプを特定の転帰に特定することができた。

■ クラスター帰属関係は分類因子を使用して決定されるが、治療が適切に行われる場合は、クラスターの安定性は低くなる。

 

結局、何がわかった?

 ✅難治性喘息患者は5つのタイプに分けられ、クラスター1(34%)は早期発症型のアトピー性、クラスター2(21%)は後期発症型で肥満があり、クラスター3(15%)は最も軽症、
クラスター4(15%)は晩期発症型で好酸性、クラスター5(15%)は有意な気道閉塞を認める群だった。

 

 

Precision Medicineはフェノタイプ分類から始まる。

■ Precision Medicineは癌など、すでに適応されてきています。

■ Precision Medicineのためには、疾患をタイプ分類して適切な治療介入する必要性があり、アレルギー疾患にも、その波は訪れようとしています。

■ 特に、生物学的製剤は顕著です。研究自体がすでに「セレクトされた」対象で効果が確認されています。Precision Medicineは、いわゆるオーダーメイトメディスンの発展型と言えましょう。

 

 

 

今日のまとめ!

 ✅難治性喘息のクラスター解析により、5つのフェノタイプに分類された。今後のPrecision Medincineに役に立つかもしれないが、適切な治療によりその安定性は必ずしもあてにも出来ない可能性もある。