Bock SA. AAAAI support of the EAACI Position Paper on IgG4. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2010; 125(6): 1410.
食物特異的IgG(IgG4)に対する公式見解。
そんな検査みたことなかったので、とりあえず保留にしてしまったんですけど、、
日本だけでなく、欧州も、米国も、食物特異的IgG(IgG4)を除去食の指標にすることは推奨していないんだ。
IgG4って、なんなんでしょう?
食物に対する免疫療法の研究ではその耐性の指標にもされることが多いね。
IgG4はなんの意味もないんですか?
じゃあまずは、欧州や米国アレルギー学会のポジションペーパー(公式見解)をみておこうか。
示唆に富む内容だと思うよ。
IgG4検査に関する欧州レルギー臨床免疫学会の公式見解と、それを支持した米国アレルギー喘息免疫学会。
背景
■ 食物に対するIgG4検査に関する最近のStapelらが欧州アレルギー臨床免疫学会(European Academy of Allergy and Clinical Immunology; EAACI)が発表したポジションペーパー(公式見解)は、この問題が世界中に広がっていることをタイムリーに想起させるものである。
■ アレルギー症状の疑いのある検査を得ることに対する容易さは、高度な解釈を必要とし、進行中の問題である。
■ アレルギーに対するすべての検査は、科学的根拠があれば支持されるべきであることを強調すべきである。
■ 支持する臨床的エビデンスがない場合、特定の検査を不適切に使用し診断を行うと、患者に対する不適切な治療となり、患者のQOLに重大な悪影響を及ぼすことがある。
■ 米国アレルギー喘息免疫学会(American Academy of Allergy, Asthma & Immunology)はEAACIポジションペーパーを支持している。文書全体を再掲はせず、以下の点に重点を置く必要があった。
結論
■ これらのコメントは、血清中の食物特異的抗体の検出が食物アレルギーまたは不耐性を示すものでは必ずしもなく、むしろ食物への曝露に対する免疫系の生理学的反応であることをStapらは繰り返し述べている。
■ IgGおよび、とりわけIgG4については、正常なヒトの反応であるかもしれない。
■ 特異的IgE抗体の検出は、反応が起こる可能性を示しているかもしれないが、これらの抗体の存在に対する臨床的な結果はしばしば陰性である。
結局、何がわかった?
✅IgGおよび、とりわけIgG4については、正常なヒトの反応であるかもしれない。
✅特異的IgE抗体は反応が陽性である可能性を示しているかもしれないが、臨床的な結果はしばしば陰性となる。
食物特異的IgG4抗体価は、一般に食物アレルギーの検査としては用いない。特異的IgE検査にも限界があることを意識すべきで病歴を聴取し、セット検査はすすめられない。
■ 大事な公式見解と思います。日本アレルギー学会も同様の見解を発表しています。
■ 一方で、一般に食物アレルギー診療にルチーンに必要な検査では全くありませんせんが、IgG4に関しては最近別の結果も出始めています。後日ご紹介したいと思っています。
今日のまとめ!
✅IgG4抗体価は、食物アレルギーの一般診療には用いることは勧められない。