Malizia V, et al. Efficacy of buffered hypertonic saline nasal irrigation for nasal symptoms in children with seasonal allergic rhinitis: a randomized controlled trial. International archives of allergy and immunology 2017; 174:97-103.
鼻洗浄は、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎に対する「薬を使わない治療」として使われます。
膿性鼻汁がもう10日以上続いているのか、、、
「鼻うがい」は試してみた?
鼻うがいって、生理食塩水で鼻を洗うってやつですよね?
大変じゃあないですか?
鼻うがいって、普通生理食塩水を使いますよね?
最近、そのテーマでのランダム化比較試験があるのでみてみよう。
季節性アレルギー性鼻炎の6~13歳の患児36人に対し、高張食塩水、生理食塩水による鼻うがいを実施し、効果を比較した。
背景
■ 生理食塩水による鼻洗浄は、アレルギー性鼻炎(allergic rhinitis;AR)患者の追加治療とされている。
■ この研究の主な目的は、季節性AR(seasonal AR;SAR)の児における鼻症状を軽減するための、高張食塩水(hypertonic saline;BHS) vs 生理食塩水(normal saline solution;NSS)21日間使用の有効性を比較することだった。
■ 鼻細胞数(nasal cytology counts;NCC)、QOL、睡眠の質に対するそれらの有効性を比較することを二次的な目的とした。
方法
■ オープンラベル無作為化比較試験により、5症状スコア(Total 5 Symptom Score;T5SS)が5以上であったSAR患児 36人(6〜13歳)に対し、鼻腔洗浄によりBHSもしくはNSSを1日2回 21日間投与された。
■ 有効性測定は、T5SS、NCC、小児鼻結膜炎QOLアンケート(Paediatric Rhinoconjunctivitis Quality of Life Questionnaire ;PRQLQ)およびピッツバーグ睡眠品質指数(Pittsburgh Sleep Quality Index;PSQI)スコアの最小自乗平均変化(least square mean changes;LSmc)であった。
結果
■ 高張食塩水(BHS)は、5症状スコア(T5SS)を生理食塩水(NSS)よりも有意に改善した(LSmc -6.45 vs -5.45; p <0.001)。
■ 鼻細胞数(NCC)において、BHSは好中球スコア(LSmc -0.76; p = 0.004)および好酸球スコア(LSmc -0.46; p = 0.018)を有意に低下させたが、NSSは有意ではなかった。
■ 同様に、ピッツバーグ睡眠品質指数(PSQI)スコアの改善はBHS(LSmc -0.77; p = 0.025)とNSS(LSmc -1.39; p<0.001)で同等だったが、小児鼻結膜炎QOLアンケート(PRQLQ)スコアが低下したのはBHS群のみだった(LSmc -0.57、p = 0.009)。
■ 全体として、BHSは良好な忍容性だった。
結論
■ 季節性アレルギー性鼻炎(SAR)である児において、高張食塩水(BHS)は鼻症状や鼻細胞数(NCC)の改善に有効であり、QOLに有益な効果をもたらす。
結局、何がわかった?
✅高張食塩水(BHS)は、5症状スコア(T5SS)を生理食塩水(NSS)よりも有意に改善した(LSmc -6.45 vs -5.45; p <0.001)。
季節性アレルギー性鼻炎に対する鼻うがいは生理食塩水より高張食塩水のほうが有効なようだ。
■ 鼻洗い(鼻うがい)は、副鼻腔炎などにも使用される方法です。
■ 高張食塩水は、許容されたようなので適応できるかもしれませんが、私はまだ生理食塩水で使用するかなあ、、、
■ 少なくとも、鼻うがいにより症状は楽になるので、実施可能であればおすすめですね。
今日のまとめ!
✅季節性アレルギー性鼻炎に対する鼻うがいは、高張食塩水のほうが有効のようだ。