エキナセアは、海外では民間治療としてインフルエンザに使用されるそうです。
■ エキナセアというのはムラサキバレンギクとも言うハーブの一種で、インフルエンザ治療に対しランダム化比較試験もあります。
■ エキナセアは、米国における栄養補助食品市場の10%を占めるそうで、これはこれですごい売り上げです。
■ その、店頭で入手できるエキナセア製品の一部に、「エキナセアが含まれていない場合がある」という報告を、るるーしゅ先生に教えていただきました。
Gilroy CM, et al. Echinacea and truth in labeling. Archives of internal medicine 2003; 163(6): 699-704.
米国デンバーの店頭で入手したエキナセア59製品を調査し、ラベル表示量と測定量を比較した。
背景
■ エキナセアの売上高は、米国における栄養補助食品市場の10%を占める。
■ しかし、エキナセア製剤の内容、品質、変動、汚染についての保証はない。
目的
■ 小売店で入手可能なエキナセア製剤の含有量を定性的および定量的に評価する。
方法
■ 2000年8月に入手可能な単一ハーブエキナセア製剤のうちのひとつずつを、コロラド州デンバーの店舗から入手した。
■ 種および測定量の決定には、薄層クロマトグラフィー(Thin-layer chromatography; TLC)を使用した。
■ この情報から、エキナセアのラベリング精度およびラベリングされた成分内容との比較が評価された。
■ サンプルは、規格化されたものとしてラベル付けされているかどうかにより層別化し、規格化されたサンプルと規格化されていないサンプルは、成分とラベリングされた内容の比率で比較された。
結果
■ 試料のうち、59製品中6製品(10%)は測定可能なエキナセアを含んでいなかった。
■ 分析されたエキナセア含有量は、31製品(52%)において規格化された含有量と一致した。
■ 規格化された21製品中9品目(43%)がラベルに記載された品質基準を満たしていた。
■ ラベルに記載されたmgは、測定した成分と弱く相関した(r = 0.35; P = 0.02)。
論文から引用。規格化された製品(◆)は測定値と弱く相関したが、規格化されていない製品は相関しなかった(○)。
結論
■ 小売店から入手したエキナセア製品は、しばしばラベルされたエキナセアを含んでいない。
■ 「規格化」の表示は、製品が正確にラベル付けされていることを意味するものではなく、また、ハーブ成分の濃度のばらつきが少ないことを意味していない。
結局、何がわかった?
✅米国デンバーの店頭で入手できたエキナセア製品の59製品中6製品(10%)は測定可能なエキナセアを含んでいなかった。
✅ エキナセア含有量は、31製品(52%)において規格化された含有量と一致した。
✅ 規格化された21製品中9品目(43%)がラベルに記載された品質基準を満たしていた。
店頭で入手できるエキナセア製品のうち、規格化された含有量を含んでいる製品は半数だった。
■ 最近のBMJに、エキナセアの感冒に対する効果は「No evidence」であるとされていました。
■ 最近発表された大規模ランダム化比較試験からは、インフルエンザに対する有効性はあると思われますが、店頭で入手できる製品に関しては医薬品でない以上懸念が残るのかもしれません。本邦でも調査をしていただきたいなあと思いました。
今日のまとめ!
✅米国の店頭で入手できるエキナセア製品は、しばしばラベルされたエキナセアを含んでいない。