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前のシーズンのインフルエンザワクチンは、今シーズンのワクチンに影響するか?

■ インフルエンザワクチンは、13歳未満の児には2回接種になっています。

■ 一方、米国では9歳以上は毎年1回、生後6か月~8歳まで(9歳未満)は2回接種ですが、前年に2回接種している場合には1回接種をすすめています。

毎年、流行するウイルスの型が違い、それにあわせてワクチンがつくられています。前のシーズンに接種していても予防効果は期待できませんので、原則として毎年、2回ずつ接種しましょう。

WHO(世界保健機関)や米国では、生後6か月~8歳まで(9歳未満)は2回接種ですが、前年に2回接種している場合には1回接種をすすめています。9歳以上は毎年1回接種です。接種回数に関してはかかりつけ医とご相談ください。

インフルエンザワクチン- Know VPD!

■ これは、CDCの推奨に基づくものと考えられます。

Seasonal Influenza Vaccine Dosage & Administration

■ この違いに関する出典に関し、今ひとついいものに行き当たらず、根拠をどこにもとめるものかと思っていました。最近、その根拠のひとつになるかもしれないメタアナリシスに行き当たりました。

 

Bartoszko JJ, et al. Does consecutive influenza vaccination reduce protection against influenza: A systematic review and meta-analysis. Vaccine 2018; 36:3434-44.

各データベース開設後2017年4月26日までの、2シーズン連続のインフルエンザワクチンと、今季のみのワクチンの有効性に関するメタアナリシスを実施した。

イントロダクション

■ インフルエンザに対するワクチン接種は毎年広く推奨されているが、最近の研究では、ワクチン接種がワクチン効果(vaccine effectiveness; VE)を低下させる可能性があることが示唆されている。

 

目的

■ 既存のデータの全体を調査すると、連続したインフルエンザワクチン接種が、今シーズンのインフルエンザワクチン接種と比較してVEが減少するかどうかを評価する。

 

データソース

■ MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register for Controlled Trials(CENTRAL)の発足から2017年4月26日まで含まれている研究を引用した。

 

研究の選択

■ 2シーズン以上の連続したインフルエンザシーズンにわたり、検査室で確認したインフルエンザ感染が報告された小児・成人および/または高齢者のランダム化比較試験(RCT)と観察研究を適格とした。

 

データ抽出

■ 試験の特徴、参加者の人口統計、ワクチン接種群におけるインフルエンザ感染のケース、バイアス評価のリスクに関するデータを二重に抽出した。

 

データ合成

参加者11,987人が関係したランダム化比較試験(RCT) 5件は連続した2シーズンでワクチン接種を受けた参加者(VE 71%; 95%CI 62-78%)であり、今シーズンにワクチン接種を受けた参加者(VE 58%; 95%CI 48-66%)と比較してVEの有意の減少を示さなかった(オッズ比[OR]0.88; 95%CI 0.62-1.26(p=0.49); I2=39%)

28,627人を対象とした観察研究28件でも、2シーズン連続でワクチンを受けたVEは41%( 95% CI 30-51%)であり、今シーズンのワクチン接種 VE 47%(95%CI 39-54%)と比較して有意の減少を示さなかった( オッズ比[OR]0.88; 95% CI 0.62-1.26(p=0.49); I2=39%)

■ インフルエンザのタイプ/サブタイプ、ワクチンの種類、年齢、ワクチンの合致、併存疾患によるサブグループ解析の結果は、これらの知見を裏付けた。

■ しかし、用量反応結果には一貫性がなかった。

■ 原因不明の異質性と不正確さのために、エビデンスの確実性は非常に低いと評価された。

 

制限事項

■ サンプルサイズが比較的小さく、イベント発生率が低いスタディを含めると、調整されていないデータに基づくsummary VEやORの推定が​​不正確になる。

 

結論

■ 有効なエビデンス、2シーズン連続したインフルエンザワクチン接種のVEが低下することを支持しないが、有効性の低下の可能性は、このエビデンスの確実性が非常に低いために除外することはできない。

 

 

結局、何がわかった?

 ✅ ランダム化比較試験 5件(参加者11,987人)のメタアナリシスで、連続した2シーズンでワクチン接種を受けた参加者(ワクチン有効性 71%; 95%CI 62-78%)と、今シーズンにワクチン接種した参加者(ワクチン有効性 58%; 95%CI 48-66%)を比較してワクチンの有効性に差はなかった(オッズ比[OR]0.88; 95%CI 0.62-1.26(p=0.49); I2=39%)。

 ✅ 観察研究28件(28,627人)のメタアナリシスでも、2シーズン連続でワクチンを受けたワクチン有効性は41%( 95% CI 30-51%)であり、今シーズンのワクチン接種のワクチン有効性 47%(95%CI 39-54%)であり、有意差がなかった( オッズ比[OR]0.88; 95% CI 0.62-1.26(p=0.49); I2=39%)。

 

 

冒頭あげた臨床的疑問の直接の答えにはなりませんが、、

■ この検討は、冒頭上げた「前シーズンまでに2回のインフルエンザワクチン接種した児に対し、今シーズンに1回接種でよい」というプラクティスに根拠を直接あたえるものではありません。ただ、前シーズンのインフルエンザワクチンは今シーズンには影響しないという結果ではあります。

■ 「前シーズンまでのワクチンをしている場合、今シーズンに1回で良いか」という臨床的疑問に答えるには、「前シーズンまでに2回のインフルエンザワクチン接種した児に対して、今シーズンの接種を1回接種 vs 2回接種でランダム化し、そのワクチンの有効性を比較する」というランダム化比較試験を要します

■ この場合、前シーズンがインフルエンザ(H1N1)pdm09が流行し、今シーズンもFluA(H1N1)pdm09が流行した場合は有効性が高く推定されますので、他の型で検討する必要があるでしょう。

■ ですので、私の中ではまだ、CDCの推奨が正しいのか、本邦の方法が正しいのかは決着が付きませんでした。あえてCDCと異なる方法をとる理由があると思うので、その根拠を示していただければなあと思いました。

■ もし上記のようなランダム化比較試験をご存知の方がいらっしゃれば、ご教示ください。

 

今日のまとめ!

 ✅前シーズンから連続したインフルエンザワクチンは、今シーズンのみのインフルエンザワクチンと比較して、有効性に差は認められなかった。

 

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