ピーナッツが食べられなければ、アーモンドも食べられない?

ナッツ類アレルギーに関しては、悩む場面が多くあります。

■ 例えばピーナッツアレルギーのお子さんが、他のナッツに関してのアレルギーがあるかどうか聞かれることは多いです。

■ ナッツ類に関しては、交差抗原がどうかの情報が必要です。

■ 少し古いデータですが、重要な報告をご紹介いたします。

 

Maloney JM, et al. The use of serum-specific IgE measurements for the diagnosis of peanut, tree nut, and seed allergy. J Allergy Clin Immunol 2008; 122:145-51.

324人(男性61%;年齢中央値6.1歳;0.2~40.2歳)をナッツ類の特異的IgE抗体価の相関係数を評価した。

背景

■ 食物アレルギーを診断するためのゴールドスタンダードは、二重盲検プラセボ対照食物負荷試験です。

■ 食物特異的IgE抗体価は食物アレルギーの診断と食物負荷試験の必要性の回避に役立つかもしれない。

 

目的

■ 本研究の目的は、症状のあるピーナッツ、木の実類、種子アレルギーを特定するための食物特異的IgE測定の有用性を判断し、これらの食物間の関係について知られていることを補強することである。

 

方法

■ ピーナッツまたは木の実アレルギーの疑いがあるとされた患者は、彼らが認めている食物アレルギーについてのアンケートに答えた。

■ アレルゲンに対する特異的な診断は、アンケート、病歴、(関連する場合には)皮膚プリックテストや血清特異的IgE抗体価に基づいた。

■ 患者からの血清を、ImmunoCAP特異的IgE(Phadia, Inc, Uppsala, Sweden)を用いて、ピーナッツ、木の実、種子に対する特異的IgE抗体について解析した。

 

結果

324人の患者(男性61%;年齢中央値6.1歳;範囲0.2~40.2歳)を評価した。

■ 患者はアレルギー体質が強かった(アトピー性皮膚炎 57%、喘息 58%)。

■ ピーナッツアレルギー患者の大多数は木の実に感作され(86%)、34%は臨床的なアレルギーを裏付けた。

■ 診断とアレルゲン特異的IgE抗体価の関係はロジスティック回帰を用いて推定された。

■ ピーナッツとクルミの診断上の鑑別点(decision point)が示唆された。

■ ピーナッツ、ゴマ、いくつかの木の実についてプロバビリティカーブが描かれた。

カシューナッツとピスタチオ、ペカンナッツとクルミには高い相関関係が見られた。

 

論文から引用。ピーナッツ・ヘーゼルナッツ・アーモンド・ペカンナッツ・カシューナッツ、ピスタチオ・くるみ・ゴマの相関係数。

結論

■ 食物特異的IgE抗体価の定量化は、症状のある食物アレルギーの診断に役立ち、二重盲検プラセボ対照食物負荷試験の必要性を減らすかもしれない貴重なツールである。

 

結局、何がわかった?

 ✅ ナッツ類の交差に関して、カシューナッツとピスタチオ、ペカンナッツとクルミには高い相関関係が見られた。

 

ナッツ類の相関係数の検討は重要と言えましょう。

■ カシューナッツとピスタチオ(相関係数0.95)、ペカンナッツとクルミ(相関係数0.96)は極めて高く、ほぼ同じと言えましょう。

■ ヘーゼルナッツとアーモンド(相関係数0.84)の相関係数はそれに次ぎます。

■ ヘーゼルナッツとピスタチオ(相関係数0.73)も、少し気にかける必要があるでしょう。

 

今日のまとめ!

 ✅ ナッツアレルギーの相関に関し、カシューナッツとピスタチオ(相関係数0.95)、ペカンナッツとクルミ(相関係数0.96)は極めて高く、ほぼ同じと言える。

 

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