乳幼児期アトピー性皮膚炎に対するタクロリムス軟膏とステロイド外用薬の1年間の使用を比較すると?

タクロリムス(プロトピック)外用薬は、日本では2歳以降での薬剤です。

■ タクロリムス(プロトピック)外用薬に、悪性腫瘍との関連を懸念するむきがありましたが、最近発表されたシステマティックレビューでもその懸念は否定され、むしろ『アトピー性皮膚炎そのものによる悪性腫瘍の発生の増加』が心配されているような状況です。

■ タクロリムス外用薬をどう上手に利用するかが焦点となってきていますが、タクロリムス外用薬は、2歳以降での薬剤です。

■  タクロリムス外用薬と類似した免疫抑制薬の外用薬であるピメクロリムス外用薬(日本では未発売)は、海外で2歳未満でも使用されています。

■ 今回は、1歳から3歳(すなわち、日本では使用できない年齢を含む)でタクロリムス外用薬を使用した場合、ステロイド外用薬と比較して有効性に差があるかをみた検討結果をご紹介します。

 

※2020/9/29 確認すると正式発表されていましたので、すこし修正し更新しました。

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

中等症から重症の乳幼児アトピー性皮膚炎75人(1~3歳)に対し、タクロリムス外用薬vsステロイド外用薬治療で介入し、1年間の治療効果を比較したところ、

 ✅ 試験開始時にすでに感作が認められた患者(血清総IgEの上昇、好酸球数の上昇、プリックテスト陽性、吸入.食物アレルゲン特異的IgE陽性)においては、タクロリムス群における1年後の湿疹部位のTEWLは有意に低く(皮膚バリア機能が良く)、湿疹面積が小さかった。

 

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