以下、論文紹介と解説です。
Okawa T, et al. Serum levels of squamous cell carcinoma antigens 1 and 2 reflect disease severity and clinical type of atopic dermatitis in adult patients. Allergol Int 2018; 67:124-30.
成人アトピー性皮膚炎240人と健常対照者25人の血清SCCA2濃度を調査し、有用性を検討した。
背景
■ 最近の研究は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)患者において、IL‐4/IL‐13などの2型サイトカインにより誘導される血清squamous cell carcinoma antigen (SCCA)1および2濃度が増加することを示している。
■ しかし、AD患者の大規模シリーズにおける血清SCCA2濃度または様々な臨床的特徴との関連を分析した臨床研究はない。
本研究は、血清SCCA2濃度が成人AD患者の疾患重症度および臨床フェノタイプと関連するかどうかを明らかにするために実施した。
方法
■ 本研究では、成人AD患者240人と健常対照者25人の血清SCCA2濃度を調べるために、enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)を実施した。
■ 血清SCCA2濃度は、臨床的特徴および thymus and activation-regulated chemokine (TARC)、乳酸デヒドロゲナーゼ( lactate dehydrogenase; LDH)、血中好酸球、総IgE、特異的IgE抗体価(スギ花粉、Dermatophagoides farina、カンジダ、マラセチア、ブドウ球菌エンテロトキシンB)を含む検査を用いて分析した。
■ ADの湿疹部位におけるSCCA2の発現を免疫組織化学的に検討した。
■ 血清SCCA2に対する治療の効果も評価した。
結果
■ 血清SCCA2濃度は疾患重症度、TARC値、LDH値、好酸球数、IgE値と正の相関を示した。
■ SCCA2の強い発現が、AD患者の上皮基底ケラチノサイト上で検出された。
■ 連続した血清SCCA2濃度測定により、AD治療後のSCCA2値の低下が明らかにされた。
結論
■ 血清SCCA2値は、ADの疾患重症度と臨床フェノタイプを反映した。
■ したがって、血清SCCA2はADに関連したバイオマーカーである可能性がある。
スポンサーリンク(記事は下に続きます)
SCCA2は現在、保険適用申請中であり、有用性が期待されている。
■ おそらく今後、SCCA2は保険適用となると思われます。
■ その特性は、広く使われるようになれば、さらによくわかってくることでしょう。
今日のまとめ!
✅ SCCA2は、アトピー性皮膚炎の重症度の指標として有用であり、治療に従い低下する。